FNNは6月8日、財務省が公表した4月の国際収支で、経常収支が3兆9078億円の黒字になったと伝えた。黒字は15カ月連続で、前年同月比ではおよそ65%増えた。中東情勢の影響でナフサなど石油製品の価格が上がり輸入は増えたが、半導体などを中心に輸出の伸びがそれを上回った。
ナフサはプラスチック、包装材、建材、化学製品の基礎原料になる。電気代そのものではないが、原油由来の素材価格が上がると、食品包装、日用品、住宅設備、工場の副資材まで幅広くコストが上がりやすい。
一方で、海外投資から得る第一次所得収支の黒字は2兆3081億円となり、前年同月比18.5%増えた。日本全体の経常収支は黒字でも、燃料や素材の輸入価格上昇は家計や中小企業には別の形で負担として現れるため、マクロの黒字だけでは生活コストの圧力は見えにくい。
今後も原油高や円安が続けば、輸入額の増加が貿易収支を押し下げ、ナフサ由来製品の価格にも遅れて反映される可能性がある。エネルギー危機は電力会社やガソリン価格だけでなく、日本の対外収支と産業コストにも表れている。