経済産業省は6月8日、九州電力送配電に対し、電気事業法第106条第3項に基づく報告を求めたと発表した。理由は、顧客情報などが保存された外部記憶媒体の所在が不明になったためで、電力の供給設備だけでなく、電力事業に関わる情報管理の問題として扱われている。
経産省は、事実関係と経緯、原因の究明、実効的な再発防止策について報告を求めている。一般送配電事業者は地域の送配電網を担うだけでなく、需要家情報や接続情報など、電力システムを動かすための基礎データも扱う。
電力の安定供給は発電量や予備率だけでは成り立たない。顧客情報や系統運用に関わるデータの管理が揺らぐと、需要家の信頼、事業者間の公平性、サイバー・情報セキュリティの面でも問題が広がる。
今回の発表は、すぐに電気料金や需給を動かすニュースではない。ただ、電力会社の信頼性は設備投資や災害対応と同じく公共インフラの土台であり、送配電部門のガバナンスを確認するうえで重要な材料になる。