市場で売った収入とは別に受け取る
FIP制度では、発電事業者が卸電力市場や相対契約で電気を販売し、その収入とは別にプレミアムを受け取ります。電気を一定価格で買い取るFIT制度とは、収入のつくり方が異なります。
プレミアムの単価は固定ではありません。電源ごとに決まる基準価格から、市場価格などを基にした参照価格を差し引き、1か月ごとに算定します。
基本は「基準価格-参照価格」
計算の骨格は、基準価格から参照価格を差し引く形です。参照価格には、卸電力市場で得られると見込む収入と非化石価値相当額を加え、発電量の計画と実績を合わせるためのバランシングコストを差し引きます。
実際の交付額は、算定されたプレミアム単価に、交付対象となる1か月の供給電力量を掛けます。発電事業者が実際に売った価格は契約や入札で異なるため、市場収入とプレミアムの合計が常に基準価格と一致するわけではありません。
市場価格は月ごとの動きを反映する
市場価格の参照値は、前年度の年間平均市場価格に、当年度の月平均と前年度同月平均の差を加えて求めます。太陽光や風力など天候で発電量が変わる電源では、実際に発電しやすい時間帯の価格が反映されます。
この方法では、過去の年間平均だけで固定せず、燃料価格や需給による足元の変化を月ごとに取り込みます。一方、個別の発電事業者が実際に成立させた売買価格をそのまま参照価格にする仕組みではありません。
バランシングコストは参照価格から差し引く
FIP電源は、翌日の発電量を計画し、実績との差を小さくする責任を負います。予測誤差によるインバランスや予測業務の負担を考慮するのがバランシングコストです。
計算上は参照価格からバランシングコストを差し引くため、その分だけプレミアム単価を押し上げます。市場統合を進める移行支援であり、制度上の単価は段階的に低減します。
0.01円の時間帯はプレミアム対象外
スポット市場の価格が0.01円/kWhになった30分コマは、プレミアムの交付対象から外れます。市場で電気が余る時間帯に発電を続ける動機を弱め、蓄電や出力調整を促すためです。
月次のプレミアム単価は、この対象外時間を反映して調整されます。交付対象となる供給電力量からも、0.01円となった時間帯の供給量を除きます。設備の総発電量だけでは交付額を確定できません。
交付額を確認するときの4項目
| 確認項目 | 見る内容 |
|---|---|
| 基準価格 | 認定年度、電源区分、入札・価格区分が合っているか |
| 参照価格 | 対象月、エリア、電源特性、市場価格の補正を確認 |
| 対象供給量 | 0.01円の時間帯など、交付対象外の電力量を除いているか |
| 実際の売電収入 | 市場や相対契約の約定価格、手数料、インバランスを別に確認 |
制度の計算式だけで事業収入は決まりません。プレミアム交付額と、市場・相対契約から得た売電収入、非化石価値の取引、予測やアグリゲーションにかかる費用を分けて確認します。