審議会資料解説

第44回 洋上風力促進WG・第49回小委員会資料解説

コスト上昇を踏まえた案件形成の目安と、公募制度改訂への意見を整理します。

更新日:2026.07.14

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会議情報

2026.07.14 第44回 洋上風力促進WG・第49回 洋上風力促進小委員会 合同会議

経済産業省のワーキンググループと国土交通省の小委員会による合同会議です。資料1で当面の案件形成、資料2で占用公募制度の運用指針改訂に寄せられた意見を扱いました。

出典:国土交通省「第49回 洋上風力促進小委員会」

資料別の解説

資料1洋上風力を取り巻く環境と当面の案件形成開く

30円/kWh程度を案件形成の目安に

事務局は、発電コストが30円/kWh程度までとなる海域を優先して案件形成する案を示しました。風況、海底地盤、陸上までの送電距離などを踏まえ、発電事業として条件の良い海域から公募準備を進めます。

30円/kWhは公募の入札上限価格や落札価格を決める数字ではありません。どの海域から調査や調整に着手するかを判断する目安です。コストと市場環境を継続して確認し、必要に応じて見直す考えも示されました。

資料が示すコスト動向
複合物価指標2023年平均から2026年3月までに約19%上昇
建設分野2024年1月から2026年3月までに約9%上昇
送電ケーブル同期間に約67%上昇
資本費の構成風車55%、施工32%、基礎6%、ケーブル5%

国内組立と浮体式実証

国内の製造・施工基盤では、一定の需要と受注を前提に、ベスタスが2029年度までのナセル最終組立拠点、2039年度までの完全生産拠点を示しています。政府と業界は、風車部品、港湾、物流、保守を含む供給網の形成を進めます。

浮体式は大水深や厳しい海象で技術実証を行い、海外案件への参加で知見を蓄積します。進捗を確認しながら、商用化への橋渡しとなる300MW程度の中規模実証を検討します。

第2・第3ラウンドの発電側課金

第2・第3ラウンド案件が長期脱炭素電源オークションへ参加した場合も、FIT・FIPの交付期間終了後から発電側課金を負担する現在の扱いを維持する案です。公募後の負担条件を変えず、事業者の予見性を保つ考え方です。

資料本体:資料1(PDF)

資料2占用公募制度の運用指針改訂と意見募集結果開く

改訂案には2026年1月22日から2月22日までに74者から301件の意見が寄せられました。事業を完成させる力を詳しく評価する仕組みに関する意見が最も多く、評価基準の具体化や公平性が論点になりました。

主な意見の件数
事業実現性の細分化101件
想定供給価格幅34件
スケジュールの柔軟化32件
撤退時のルール21件

想定供給価格幅では算定根拠と資材価格の反映、スケジュールでは予備期間の定義、撤退時のルールでは参加制限の対象会社と調査データの扱いが問われました。各海域の公募占用指針で条件を具体化し、参加者が事前にリスクを見通せる状態にすることが次の焦点です。

資料本体:資料2(PDF)

会合から確認できること

案件形成では、コスト効率の良い海域を先行させ、国内の製造・施工基盤を積み上げる方針が具体化しました。公募制度では価格と事業実現性を評価し、撤退リスクを公募条件へ反映する方向です。