経済産業省と国土交通省は6月5日、洋上風力発電事業者の公募制度について、「一般海域における占用公募制度の運用指針」を改訂した。再エネ海域利用法に基づく制度で、一般海域を使う洋上風力事業について、国がどのような条件で事業者を選ぶかを定める重要なルールだ。
背景には、秋田県と千葉県沖の3海域で、選定事業者が開発中止を決めたことがある。政府は、当時の公募時点では顕在化していなかった事業環境の課題が浮き彫りになったとして、2025年9月から洋上風力合同会議で議論を重ねた。今回の改訂では、黎明期にある日本の洋上風力導入を確実に進めるため、事業を最後まで完遂できる計画を高く評価する方向が明確になった。
改訂では、想定供給価格幅、事業実現性評価点、迅速性の扱い、スケジュールの柔軟性が見直された。資材価格、金利、サプライチェーン、港湾・系統・地元調整を踏まえ、落札後に建設まで進められる計画を重く評価する設計に寄せている。
洋上風力は公募で事業者を選んでも、資材高や金利上昇で計画が止まれば電源化できない。今回の見直しは、価格競争を残しつつ、撤退リスクを下げて導入量を積み上げるための制度調整になる。