市場のしくみ

相対取引

取引所を通さず、発電事業者と小売電気事業者などが直接契約して電力を売買する取引です。価格・期間・量を当事者間で自由に設計でき、日本の電力取引では今も大きな割合を占めています。

更新日:2026.07.05

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相対取引とは

相対(あいたい)取引は、売り手と買い手が1対1で条件を決めて電力を売買する取引です。JEPXのスポット市場のように不特定多数が入札で競う取引所取引と対になる言葉で、契約書ベースで価格、期間、時間帯ごとの量、解約条件などを自由に設計できます。発電事業者と小売電気事業者の間の卸契約が代表例で、大口需要家が発電事業者から直接調達する形もあります。

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電力取引全体の中での位置づけ

スポット市場の取引量は全国の需要の3割前後で、残りの多くは相対契約や大手電力の社内取引でまかなわれています。小売電気事業者から見ると、相対契約で調達のベースを固め、日々の過不足をスポット市場や時間前市場で調整する組み合わせが基本形です。長期の値決めを市場に委ねない分、相対取引は経営の安定に直結します。

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契約の主な形

固定価格型 期間中の単価をあらかじめ固定する形。市場が高騰しても調達費が変わらない半面、市場が下がっても安くなりません。
市場連動型 スポット価格などの指標に連動して単価が決まる形。市場の動きがそのまま損益に反映されます。
組み合わせ型 一定量までは固定価格、超過分は市場連動にするなど、固定と連動を組み合わせてリスクを配分する形です。
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取引所取引との違い

 相対取引取引所取引(スポット市場など)
相手特定の相手と1対1匿名の不特定多数
価格の決まり方交渉で合意した価格・算定式入札による約定価格
期間数か月〜複数年の長期も可能30分コマ単位(受け渡しは翌日など)
透明性契約内容は非公開が基本約定価格・量が毎日公表される
主なリスク相手の信用リスク、市場価格とのかい離価格変動リスク
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相対契約でも計画の提出は必要

相対で調達しても、電気の受け渡しは計画値同時同量の枠組みの中で行われます。発電側・需要側それぞれのバランシンググループが30分コマごとの計画を提出し、計画と実績のずれはインバランス料金で精算されます。契約を結んで終わりではなく、日々の計画業務とセットで動く点が、他の商品の売買契約と大きく違うところです。

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内外無差別な卸売と交渉の環境

相対の卸契約では、大手電力の発電部門が自社の小売部門を優遇しないことが公正な競争の前提になります。2020年に旧一般電気事業者の発電部門は、社内・社外を問わず同等の条件で卸す「内外無差別」をコミットメントとして表明し、電力・ガス取引監視等委員会が毎年その実施状況を確認しています。交渉時期の早期化や標準的なメニューの公表など、新電力が相対契約を交渉しやすくする運用改善もこの枠組みで進められています。

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関連ページと一次資料