市場のしくみ

システムプライスとエリアプライス

スポット市場の約定価格には2つの種類があります。連系線の制約を考えず全国を一つの市場として計算した指標がシステムプライス、連系線の空き容量を反映してエリアごとに定まる実際の取引価格がエリアプライスです。

更新日:2026.07.05

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2つの価格が公表される理由

スポット市場の約定処理では、まず全国の売り入札と買い入札を一つの市場とみなして価格を計算します。これがシステムプライスです。しかし実際の電気は、エリアどうしをつなぐ連系線の容量までしか送れません。そこで連系線の空き容量を制約条件に加えて計算し直した価格が、北海道から九州までの9エリアごとのエリアプライスです。売買の決済にはエリアプライスが使われます。

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市場分断が起きる仕組み

空き容量に収まる場合 エリアをまたぐ取引がすべて連系線に収まれば、全エリアの価格は一致し、システムプライスと同じになります。
容量が足りない場合 送りたい量が連系線の空き容量を超えると、市場がその境界で分かれます。これが市場分断です。
値差が生まれる 分断されると、電気が余る側のエリアは安く、足りない側のエリアは高くなり、エリア間に値差が生まれます。
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2つの価格の使い分け

 システムプライスエリアプライス
計算方法連系線の制約を考えず全国一体で計算連系線の空き容量を反映して9エリアごとに計算
役割全国の需給を示す指標。レポートや分析の参照値実際の約定・決済に使う価格
実務での使いどころ相場全体の水準感の把握、エリア間比較の基準調達コストの管理、市場連動料金、値差の確認
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どこで分断が起きやすいか

分断が起きやすいのは、連系線の容量が相対的に小さい境界です。代表的なのは北海道と本州の間(北本連系設備)、東日本と西日本の間(周波数が50Hzと60Hzで異なり、変換設備の容量に限りがある)です。太陽光の発電が多い時間帯には、九州など再エネ比率の高いエリアが安値側に分断されることもあります。どの境界で分断が起きたかは、JEPXが公表する約定結果で毎日確認できます。

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値差とヘッジの仕組み

2018年10月から、連系線を使うエリアをまたいだ取引はスポット市場の約定計算と一体で行われています(間接オークション)。エリアをまたいで売買する事業者にとって、エリア間値差はそのままコストや収益の変動要因になるため、値差を金融的にヘッジする商品として間接送電権があります。連系線の混雑で市場に生じた値差収益は電力広域的運営推進機関(OCCTO)が管理し、間接送電権の原資などに充てられます。

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実務でチェックする情報