燃料制度

原油輸入に納付金の構想 ホルムズ回避の輸送費を支援

ニュース一覧へ →

ひとことで

資源エネルギー庁は8月24日の第48回総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会で、原油等の調達先や輸送経路の多角化に向けた論点整理案を示した。特定のチョークポイントを経由しない原油・ナフサの輸入について、輸送費等をJOGMECが支援する仕組みを検討する。原資は原油・石油製品の全輸入業者から徴収する納付金を充てる案である。

背景にあるのは今年の中東情勢の変化である。論点整理案は「長期間にわたって原油タンカーが事実上ホルムズ海峡を通ることが出来ない状況が現に生じ、我が国の石油の輸入量は激減した」と記した。この供給不足を補うため、2026年4月には過去最大規模の国家備蓄石油の放出によって国内の供給を確保し、ホルムズ海峡を経由しない経路からの代替調達を進めた。足元の2026年7月と8月には、前年平月比で約10割の調達への回復に目途が立っているとしている。

石油備蓄制度そのものは所期の目的を果たしたと評価しつつ、課題も示された。事態が起きてからの緊急的な調達先の切り替えには、不確実性と追加コストが伴うことが明らかになったという整理である。そこで平時から調達先と輸送経路を多角化し、特定の経路への依存度を下げることが重要だとした。想定される手段としては、陸上パイプラインの活用による船積港の変更や、調達先の変更によるチョークポイントの回避を挙げている。

多角化にはコストがかかる。ホルムズ海峡を経由しないルートからの調達は、経由する調達と比べて航行日数が増えたりパイプラインの利用が必要になったりするため、輸送費等が割高になり得る。論点整理案が示した制度は、この差額を平時から均す発想である。仕組みは3段構えで、多角化に取り組む原油・ナフサの輸入業者が計画を提出して大臣が認定し、経済性や多角化への寄与度等を総合的に評価したうえで、輸送費等を独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が支援する。支援の原資には、原油・石油製品の全輸入業者全体から徴収する納付金を充てる。

エネ庁は検討にあたっての留意点も付した。製油所およびその川下産業の国際競争力への影響や、諸外国との関係等に配慮する必要があるとしたうえで、「本制度による支援と財源の必要性については、政府が適切に説明する必要がある」と記した。調達先の多角化や石油備蓄のあり方の見直しについては、対策により高まる強靱性と追加的に生じるコストのバランスを踏まえ、総合的に検討するとしている。

編集:TERA WHAT編集部

背景を確認する

制度・用語一覧へ
ニュース一覧へ