東芝エネルギーシステムズは、中国電力ネットワークから、島根県海士町の海士変電所に設置するグリッドフォーミング(GFM)インバーターを受注した。交流側の定格出力は4,000kWで、2027年度に運転を始める予定だ。
導入先の隠岐諸島は、本土の電力系統と送電線でつながっていない独立系統である。太陽光や風力の出力が急に変わると、島内の周波数が動きやすい。従来の火力発電機は回転する機械の慣性で変化を和らげるが、一般的な再エネ用インバーターには同じ働きがない。
今回の設備は、蓄電池と接続するパワーコンディショナー計8台をGFM方式で制御する。電力の変化を検知すると自ら電圧と周波数の基準を作り、蓄電池の充放電を素早く調整する。東芝が開発したGFMインバーターが商用設備で運転される初の案件となる。
停電した系統を蓄電池から立ち上げるブラックスタート機能も備える。隠岐諸島で広域停電が起きた場合、外部からの電源を待たずに復旧作業を始められる。再エネを増やしたときの周波数維持と、停電後の復旧手段を同じ蓄電設備で確保する計画だ。