制度のしくみ

高度化法

年間5億kWh以上の電気を販売する小売電気事業者に、2030年度に非化石電源比率44%以上とすることを求める法律です。正式名称はエネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律。毎年の達成計画の提出と中間評価があり、非化石証書の買い手側の事情は、ほぼこの法律で決まります。

更新日:2026.08.25

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高度化法とは

2009年(平成21年)にできた法律(法律第72号)で、エネルギー供給事業者に、非化石エネルギー源の利用と化石エネルギー原料の有効利用を求めます。電気の分野では、小売電気事業者が売る電気のうち、原子力・再生可能エネルギーなど非化石電源でつくられた分の割合(非化石電源比率)を引き上げることが義務の中心です。

2022年度(令和4年度)の改正で、水素・アンモニアの利用とCCS付き火力発電が「エネルギー源の環境適合利用」として法律上に位置づけられ、促進の対象に加わりました。

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誰が対象か

年間5億kWh以上の小売 前事業年度の電気の供給量が5億kWh以上の小売電気事業者が対象です。小売供給を行う一般送配電事業者・特定送配電事業者も、同じ基準で対象になります。
達成計画を毎年提出 法第7条第1項に基づき、目標達成のための計画(達成計画)を毎年、経済産業大臣へ提出します。2026年の提出期限は7月31日でした。
判断基準に従う 計画は、経済産業省の告示である「判断の基準」を踏まえて作ります。非化石電源比率の算出方法はガイドラインで定められています。
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2030年度44%と、毎年の中間目標

最終目標は、判断基準に定められた「2030年度に非化石電源比率44%以上」です。ただし2030年度まで放置するのではなく、対象期間をフェーズに区切り、国が事業者ごとに毎年の中間目標値を通知して、達成状況を評価・公表します。

区分期間備考
第1フェーズ2020〜2022年度2023年9月に達成状況の評価を公表
第2フェーズ2023〜2025年度2023・2024年度分の評価を公表済み。2024年度は未達の楽天モバイルに勧告
最終目標2030年度非化石電源比率44%以上

中間目標値は全社一律ではなく、各社の電源構成の出発点を踏まえて事業者ごとに設定されます。この設定方法は制度検討作業部会で議論され、第十次中間とりまとめなどに整理されています。

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非化石証書との関係

自前で非化石電源を持たない小売電気事業者は、非化石価値取引市場で非化石証書を買うことで、その分を自社の非化石電源比率に算入できます。高度化法の達成手段として証書を買う——これが非化石証書の需要の土台です。

逆に、J-クレジットは高度化法の目標達成には使えません。同じ「環境価値」でも、制度上の使い道が分かれています。また、算出にあたっては、国が公表する「余剰非化石電気相当量」を全国の販売電力量に応じて各社に分配して算入する仕組みもあります。

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未達だとどうなるか

評価の公表 中間目標の達成状況は、事業者名つきで毎年公表されます。達成・未達が一覧になります。
勧告 取り組みが著しく不十分な場合、法第8条第1項に基づく勧告があります。2024年度の評価では、未達の楽天モバイルに勧告が行われました。
使途の報告 FIT電気に由来する証書の収入の使い方など、達成計画とあわせた報告・確認が制度検討作業部会で行われています。
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実務で確認する順番

自社が対象か 前事業年度の供給量が5億kWhを超えたかどうかが入り口です。超えた年度から達成計画の提出義務がかかります。
通知された中間目標値 国から毎年通知される自社の目標値と、現在の非化石電源比率の差を確認します。差が証書の必要調達量になります。
証書の調達計画 不足分をどの種類の非化石証書で埋めるか、オークションの開催時期とあわせて計画します。
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