会議情報
2026.07.27 第49回 核燃料施設等の廃止措置計画に係る審査会合
原子力規制委員会が公開で開催した審査会合です。JAEAの新型転換炉原型炉ふげんについて、廃止措置の進展に伴う性能維持施設と保安規定の変更を確認しました。原子力科学研究所の廃棄物埋設施設では、第47回会合の指摘を受けた被ばく評価、津波評価、施設管理の見直しが示されました。
資料別の解説
資料1-1ふげんの性能維持施設を廃止措置の段階に合わせて見直す開く
JAEAは2026年5月、ふげんの廃止措置計画変更認可を申請しました。使用済燃料の冷却が進み、廃止措置で必要な安全機能を再評価した結果、原子炉補機冷却水設備、非常用ディーゼル発電機、一般クレーンなどを性能維持施設から外す方針です。
| 維持を終える設備 | 原子炉補機冷却水ポンプ・熱交換器、非常用ディーゼル発電機など |
|---|---|
| 性能維持施設から外す設備 | 一般クレーン、交流非常灯、予備電源、ユニットエアコンプレッサーなど |
| 維持を続ける設備 | キャスク取扱クレーン、放射線監視設備、希釈放出に使う海水ポンプなど |
ふげんで廃止措置中に確保する機能は、核燃料物質の臨界防止と放射性物質の閉じ込めです。放射線監視は蓄電池やモニタリングカーを使えるため、予備電源を原子力安全上の性能維持施設として扱わない考えが示されました。クレーンは労働安全衛生法に基づく管理を続けます。
資料本体:資料1-1
資料1-2ふげんの保安規定を設備の現状へ合わせる開く
性能維持施設の一覧は廃止措置計画へ一本化し、保安規定に重複していた表を削除します。役目を終えた施設の巡視は毎日から週1回へ変更し、使用を終える非常用ディーゼル発電機は毎日の巡視対象から外します。
作業員の外部被ばく評価には、ISO/IEC 17025の認定を受けた外部サービスの受動型個人線量計を使用しています。2025年度末にセメント混練固化装置の使用を始めたため、濃縮廃液の固化方法に関する記載も設備の現状へ合わせます。
資料本体:資料1-2
資料2-1~2-6廃棄物埋設施設の井戸水飲用と計算確認を追加開く
JAEA原子力科学研究所の廃棄物埋設施設では、2026年3月の第47回会合で9項目の指摘を受けました。廃止措置計画申請書の設備名と汚染履歴を見直し、地下水を採取できるボーリング孔5本を埋め戻して閉塞します。鉄管は溶接、硬質塩化ビニル管は規格に適合する接着剤で蓋を固定する計画です。
1,000年後の海面と塩淡境界の変化を考慮し、最も厳しい自然事象シナリオへ井戸水飲用による内部被ばくを追加します。飲料水の全量を井戸水とし、廃棄物埋設地の下流端に井戸を置く保守的な条件で計算します。
被ばく線量のグラフにH-3、C-14、Cl-36の一部が反映されなかった原因は、表計算ソフトの参照範囲の変更ミスでした。JAEAは使用した集約シートを使用禁止とし、計算範囲、参照範囲、データ転記を再確認しました。パラメータを再設定した補正後の評価結果は別途確認が必要です。
資料2-7~2-9津波の洗掘深と廃止措置中の管理を現実的な条件へ修正開く
津波で2.5mの覆土が全て失われる従来の想定を見直します。埋設地の最大浸水深を1.0m、土質を軟弱砂として、土木学会の評価手法から洗掘深を60cmと設定する案です。最も可能性が高いシナリオでは4mの津波を想定し、標高約8mの埋設地は浸水しない条件とします。
廃止措置中の事故は、埋設地から約20m離れた管理建屋の解体や手作業で行う標識撤去を確認し、廃棄物全量を誤って掘り起こす従来想定を削除します。重機の搬入路と作業区域を管理し、覆土を損傷しない運用を保安規定へ追加します。
廃止措置期間中も覆土の巡視を続け、異常があれば補修します。地下水測定は規則上の適用が終わるため削除し、工事計画、作業区域、記録を施設管理実施計画で管理します。
会合から確認できること
廃止措置では、運転中に維持していた設備を、残る放射性物質と作業内容に応じて絞り込みます。一方、維持を終える根拠、将来の被ばく経路、計算ミスを防ぐ確認手順は審査で説明する必要があります。
原子力科学研究所の廃棄物埋設施設は、井戸水飲用、津波による60cmの洗掘、廃止措置期間中の覆土巡視を補正申請へ反映する方針です。補正後の線量評価と、規制委員会の判断が次の確認点になります。