議事録で確認した到達点
排出量取引制度では、対象企業が出したCO₂の量に応じて排出枠を用意します。第9回は、枠の価格が上がり過ぎた場合に代金の納付で義務を果たせるようにする「みなし保有措置」と、価格が下がり過ぎた場合にGX推進機構が枠を買い入れる方法を議論しました。
11月2日に追加された公開議事録で、委員が制度全体の整合と継続的な検証を求めたこと、事務局が年内の取りまとめに向けて関連制度と合わせて確認する方針を示したことを確認しました。今回の公開記録は議題1の範囲です。資料4を扱う第2部は非公開で、その審議内容は対象にしていません。
価格安定措置は、条件を満たす場合の運用を検討
事務局は、みなし保有措置を必要最小限に運用しつつ、価格や取引量の要件を満たした場合は原則として発動する案を説明しました。制度開始後の実際の発動状況を見て、要件を厳しくするか緩めるかも検討するとしています。
高村委員は、制度全体の整合を確認することと、後から検証できるよう発動状況などの情報を記録・公表することを求めました。事務局は、記録や情報公表に対応し、個別の制度設計を積み上げた段階で全体の整合を確認する考えを示しました。
義務期限の直前と、排出枠の持ち越しが残る論点
池田委員は、保有義務の期限直前に売り注文が減った場合、発動の判定期間を満たせない可能性を指摘し、機動的な対応を求めました。事務局は手続きにも配慮し、今後のマニュアルなどで工夫すると回答しました。
吉高委員らは、余った排出枠を翌年以降へ持ち越すバンキングのルールと、価格安定措置の関係を確認しました。事務局は、今後の議論が進んだところで全体を見直し、必要な修正を行って取りまとめる方針を説明しました。
取引の偏りも見ながら検証する
上野委員は、月平均価格の計算で取引量による重み付けをしない案について、取引が期限近くへ集中した場合の扱いを今後の検証点として挙げました。秋元委員は、非化石価値取引市場で期限前に取引が少なくなった経験も参照するよう求めました。
大橋委員長は、検証を通じた制度修正を継続することと、非化石価値取引市場の経験を相互に生かすことを求め、公開部分の審議を終えました。発動条件は、関連する制度との整合を確かめながら検討を続ける段階です。持ち越しの具体案は後の第10回の解説で確認できます。
一次資料と次の確認事項
公式会合ページで配布資料と議事録を確認できます。追加の訂正・次回会合・制度の確定手続きを追跡します。
排出量取引制度小委員会