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審議会資料解説

第63回 需給調整市場検討小委員会広域LFCと2027年度の調達、市場外調整力、上期の取引状況

9月14日公開の事前資料を確認。会合での了承・決定は、開催後の公式記録で確認します。

公開・更新日:2026.09.14

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会議情報

2026.09.15 第63回 需給調整市場検討小委員会

開催予定は9月15日18〜20時。第80回の技術的検討に関する作業会との合同会合です。この記事は9月14日に公開された事前資料に基づき、実質資料2・3・4を解説します。記事公開日は9月14日、会合開催日は9月15日です。

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資料別の解説

資料2二次調整力①の広域運用および広域調達について開く

調整力を動かす段階から、確保する段階の広域化へ

二次調整力①は、周波数を保つため発電所などの出力を自動調整する商品です。LFCはこの調整の仕組みで、広域LFCでは地域ごとの電力の余り・不足を相殺するなどして効率よく動かします。「広域運用」は確保した調整力の使い方、「広域調達」は市場で確保する範囲の話です。

試験では東地域の演算タイムオーバーを対策によって解消し、東・中西地域とも全試験項目を達成したと報告しました。運用前後の比較では、周波数の変動は同程度で、一定範囲内に収まる時間の割合も同水準以上だったとしています。

5〜7月の費用低減は月5,790万円

資料のまとめによると、2026年5〜7月の調整力kWhコストは東地域で月1,530万円、中西地域で月4,260万円、合計で月5,790万円低減しました。調整のために実際に動かす電力量に関する費用で、市場の全調達費用とは異なります。シミュレーション時より燃料価格が高いことなどを、効果が大きくなった理由として挙げています。

電力の余り・不足を相殺する効果の分析では、LFCの動作量が両地域合計で上げ2,294MWh/日、下げ2,732MWh/日減りました。この比較は費用と同じ5〜7月の平均ではなく、運用前と4月末〜5月中旬の期間を比較しています。各分析の期間は資料29ページに整理されています。

2027年度からの広域調達を提案

広域運用が実現したと評価し、2027年度から二次調整力①の広域調達を始める案です。東地域は東北・東京、中西地域は中部・北陸・関西・中国・四国・九州。北海道を含む全国一つの調達範囲を作るものではありません。

連系線の事故や、調整に使う連系線容量を十分確保できない場合への懸念も扱います。必要量全体に対して市場で広域調達する部分を抑え、残りを自エリアの余力から確保しているため、現時点では運用上の課題が生じる可能性は低いとの評価です。リスクがゼロという説明ではありません。

根拠:資料2(18、20〜25、29ページ)

資料3需給調整市場前日取引化後の市場外調整力の状況等について開く

市場に出ていなくても、活用できる余力がある

市場外調整力は、需給調整市場で調達していなくても、一般送配電事業者が実際の需給調整に使える電源などを指します。今回の調査対象は、そのうち余力活用契約を結んだ電源の「自然体余力」です。動いている電源の出力上限から発電計画と市場で約定した調整力を差し引いた、自然に残る余力を指します。

2026年度に全商品が前日取引となり、市場への応札が増えることで自然体余力が減る可能性がありました。まず2026年4〜6月の実績を2024年の同じ期間と比較しています。

火力の平均値と1σ値では変化が異なる

火力9エリア合計の1σ値は2024年の1,670MWから2026年の1,627MWへ減りました。一方、平均値は5,473MWから5,489MWへ増えています。1σ値は余力のばらつきを踏まえた指標であり、平均値と同じ意味ではありません。「全体で一様に余力が減った」とは読めず、増えているエリアもあります。

揚水5エリア合計の1σ値は246MWから185MW、平均値は908MWから669MWでした。揚水と火力では対象エリア数が異なり、そのまま同じ条件の合計として比較できません。

夏の状況と、応札しない理由を継続調査

今回の4〜6月は電力需要が比較的小さい時期です。7月以降の需要が大きい時期には傾向が変わる可能性があるため、継続して調べる方針です。調整力提供者には、残る余力を市場へ応札していない理由も確認するとしています。今回の値だけで年間の供給力や募集量の変更を決めた資料ではありません。

根拠:資料3(2、9、24、28ページ)

資料4需給調整市場検討小委員会における議論の方向性と整理(上期報告)開く

複合市場は改善、三次②は応札不足が課題

上期報告の取引実績は8月31日までです。前日取引化と30分コマ化に加え、募集量の適正化や揚水発電との随意契約を続けた結果、全国で見ると複合市場の応札量が増え、年度初めの一次調整力の募集量未達も改善傾向と整理しました。

一方、三次調整力②は前年度より応札量が減り、不足する頻度と不足率が高い日が増えています。平均落札単価も大きく変動し、資料は中東情勢を受けた燃料費上昇と起動して供出する電源の減少を主な要因として挙げました。複合市場の改善だけで全商品が安定したとは判断できません。

下期は参入要件、必要量、市場外調整力を検討

下期以降の課題は、一次調整力の技術要件やオフライン参入要件、二次①の2027年度広域調達、三次②の必要量を見積もる新しい手法の検証などです。変動する再エネを調整に使う方法や、通信の低コスト化も検討を続けます。

揚水発電の市場活用では契約価格、水位管理、随意契約の扱いが継続論点です。市場外調整力は需要の小さい時期と大きい時期の両方を調べ、事業者へのアンケートも踏まえて国と追加施策を検討する方向です。

事前資料の「完了」は会合結果と区別

資料30ページの二次①の整理には「第63回本小委員会(完了)」という記載があります。ただし本ページを作成した9月14日は開催前であり、これを会合で承認・決定された証拠にはしません。会議での判断や委員の発言は、後続の公式記録で確認します。

根拠:資料4(6、11、23、27〜35ページ)

議事次第と用語集

実質資料のほかに、資料1-1 議事次第資料1-2 用語集が公開されています。議事次第は会合の構成、用語集は資料を読む際の参照用です。

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