AIニュース(2026年10月25日〜10月31日分)
今週はGPT-6.1 Terraが登場し、Mistral Large 4を自前で動かすためのデータも公開されました。Gemini 4 Carbonは防御の専門家への先行提供から始まります。文書や音、制作アプリを作る新機能と、11月1日時点で確認した利用条件をまとめます。
GPT-6.1 Terra:画面を読む・操作する仕事向けに提供
OpenAIは10月26日、GPT-6.1 Terraを提供し始めました。図面や写真を読み取ること、アプリの画面を操作すること、文章を書くことを得意とするモデルです。ChatGPT WorkとCodexではPlus・Pro・Enterprise・Eduの利用者向けに案内しています。開発者はAPIからも使えます。
APIの標準料金は、文章などの量を数える単位である100万トークン当たり、入力1米ドル・出力5米ドル。OpenAIは、GPT-5.6 TerraとGPT-6.1 Solの標準API料金より50%低いと説明しています。画面操作の能力や速さに関する比較は、同社の評価結果です。
Gemini 4 Carbon:防御の専門家から先行提供
Googleは10月28日、Gemini 4 Carbonを発表しました。プログラムの不具合や弱点を調べて直すこと、複雑な作業を長く続けることを重視したモデルです。今週からサイバー防御に携わる一部の専門家へ提供し、Fairwind Programを通じて信頼できる協力先へ広げる方針です。開発者・企業・一般利用者への提供は今後の予定です。
発表したAPIの導入期の料金は100万トークン当たり入力2米ドル・出力10米ドルで、その期間が終わると入力4米ドル・出力20米ドルです。性能の向上はGoogleの評価として公表されています。
Mistral Large 4:自前の設備で動かせるデータを公開
Mistralは10月29日、Mistral Large 4の改良版と、モデルを自前の設備で動かすためのデータを公開しました。10月上旬の試験提供から、プログラム開発やサイバー防御の性能を高めたとしています。MistralのAPI、Mistral Studio、Hugging Faceからのダウンロードなどで利用できます。
API料金は100万トークン当たり入力0.70米ドル・出力2.10米ドルです。モデルは改変や商用利用ができるMistral Ecosystem Open-Weight Licenseで提供します。AIモデルの利用をサービスとして提供する事業者には、別の商用ライセンスが必要という条件があります。
出典:Mistralの公開発表、Hugging Faceの10月29日案内
Gemini:チャット内で文書・表・資料を作って直せる
Googleは10月29日、Geminiのチャット内でファイルを作成し、表示を確かめながら編集する機能を案内しました。文書、表計算、スライド、PDFなどを扱えます。文章の一部を選んで質問したり、直接書き直したりでき、Googleドキュメントやスプレッドシートへ開くこともできます。
Geminiが提供されている言語・地域の全利用者が対象で、個人のGoogleアカウントやGoogle Workspaceで利用できます。PDFの表示・編集はWebとスマホ、その他の形式はWebが対象です。
Googleスライドにも、複数枚や資料全体をまとめて編集する機能が加わります。10月29日から順次展開し、開始時点の対応言語は英語。対象はBusiness Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Google AI Pro/Ultra、Google AI Pro for Educationです。
出典:Geminiのファイル編集、Google Workspaceの10月30日更新
Meta Muse:シンガポールで個人向けサービスを開始
Metaは10月27日、個人向けAIエージェントMuseをシンガポールで提供し始めました。GmailやGoogleカレンダー、Instagramと接続し、メールや予定の整理、調べ物などを進めるサービスです。現地の買い物・旅行サービスとの接続機能は、開始後も順次追加します。
対象地域はシンガポールで、iOS・Android・Webから利用できます。基本的な用途は無料で、追加利用向けの有料プランも用意しています。メール送信や購入などの操作では、利用者に確認を求める仕組みを案内しています。
Microsoft:AIの作業を進める共通基盤を試験公開
Microsoftは10月28日、Copilot harnessをFoundry Agent Serviceのパブリックプレビューとして公開しました。AIが道具やファイルを使い、複数の手順を続けるための実行基盤です。開発者は、対応するモデルと自分の業務の手順を組み合わせて使います。
この基盤の実行料金は12月1日から従量課金になり、それまでは実行部分を無料としています。AIモデルや別料金の道具・接続サービスの費用は、それぞれの料金がかかります。同時発表の、長時間の実行が中断されたときの復旧機能は一般提供です。
ChatGPT Pro・Business:API利用分の特典を追加
OpenAIは10月28日、対象のChatGPT Pro・Business契約者がAPIの無料クレジットを受け取れる特典を案内しました。Proは契約に応じて月100・200・500米ドル。月払いのBusinessはStandardの有料1席当たり20米ドル、Premiumは100米ドルで、ワークスペース全体で月500米ドルが上限です。年払いのBusinessは年間分を一度に付与します。
有料契約の開始から7日以上が経過し、契約と受取先API組織の所有者が、同じメールアドレスで連携することが条件です。初回は残りの契約期間に応じて付与され、未使用分はその請求期間の終わりに失効します。APIに使う枠で、ChatGPTやログインして使うCodexの利用上限は別に管理されます。
Runway App Studio:制作の手順を専用アプリにする
Runwayは10月26日、作りたい道具を文章で伝えると、画像・動画・音声の制作アプリを組み立てるApp Studioを公開しました。いつも使う素材や制作手順、ブランドの設定を組み合わせ、チームで同じ手順を使えるようにします。
作成は全有料プランが対象で、追加契約は不要です。アプリの作成・利用・ホスティングには、既存のRunwayクレジットを使います。無料利用者は用意されたアプリや共有されたアプリを利用できます。公開リンクから使う人にはRunwayアカウントが必要で、生成費用はその人のクレジットから支払います。
Runway Devには10月28日、Ideogram Vectorが加わりました。大きくしても輪郭が崩れにくいSVG形式のイラストを文章から生成し、最大5枚の参考画像を使えます。生成は品質により1枚14・17・22クレジットで、高品質かつ参考画像を使う場合は35クレジット。既存画像をSVGに変換する機能は1枚11クレジットです。
ElevenLabs SFX v3:複数の音を文章から生成
ElevenLabsは10月29日、効果音モデルSFX v3を公開しました。複数の音を組み合わせた指示や、音楽・声を含む指示への対応を改善したとしています。動画やゲームの場面に合わせて音を作る用途を想定しています。
ElevenCreativeの効果音画面、Flows、Studio、Music Editorと、開発用のElevenAPIで利用できます。スマホアプリからも試せます。音質や指示への対応が良くなったという説明は、開発元の比較評価です。
開発用サービス:画面操作の一般提供と保存設定の変更
Gemini APIは10月30日、画面操作のComputer Useを一般提供しました。Interactions APIとGenerateContent APIで使えます。10月27日には、コマンドから文章・画像などの生成やファイル分析を呼び出すGemini API CLIのベータ版も公開しています。
10月26日からは、GenerateContent APIの有料枠で新しく作るプロジェクトについて、リクエストの保存が初期設定で有効になりました。既存プロジェクトの設定は維持されます。保存を止める場合は、リクエストのstore=falseか管理画面の設定を使います。
OpenAIは10月30日、生命科学の研究向けにGPT-6 Rosalindを追加しました。Rosalind Researchの審査に通った組織が、認められた利用者による内部研究に使う形です。
