週刊AIニュース

2026年6月第4週

AIニュース(2026年6月21日〜6月27日分)

更新日:2026.07.03

AIニュース(2026年6月21日〜6月27日分)

OpenAI(ChatGPT)

6月21日 Samsung ElectronicsがChatGPTとCodexを従業員向けに導入

OpenAIは、Samsung ElectronicsがChatGPT EnterpriseとCodexを従業員向けに導入すると発表しました。

対象は、韓国のSamsung Electronics従業員全員と、世界のDevice eXperience部門の従業員です。Device eXperience部門は、スマートフォン、テレビ、家電など、消費者向け製品を扱う部門です。

Codexは、プログラム作成や業務ツール作りを手伝うAI機能です。Samsungでは、ソフトウェア開発、マーケティング、製品開発、製造など、幅広い業務で使うとされています。

6月22日 OpenAIがセキュリティ向けのDaybreakを拡充

OpenAIは、ソフトウェアの弱点を見つけ、修正まで進めるための取り組み「Daybreak」を拡充しました。

今回の発表では、Codex Securityという機能や、GPT-5.5-Cyberというセキュリティ向けモデル、セキュリティ企業との協力プログラムが案内されました。

GPT-5.5-Cyberは、認められた防御側の利用者向けに限定提供されます。Codex Securityも、企業やセキュリティ担当者の利用を想定した機能です。

6月24日 OpenAIとBroadcomがAI向け推論チップを発表

OpenAIとBroadcomは、AI向けの推論チップ「Jalapeño」を発表しました。

AIは学習にも大きな計算力を使いますが、実際に多くの人が使う段階では、回答を返すための推論にも大量の計算力が必要になります。

Jalapeñoは、大規模言語モデルを動かすために設計されたAIチップです。大規模言語モデルとは、ChatGPTのように文章を理解して返答するAIの土台になる仕組みです。

6月25日 Codex Remoteを正式提供

OpenAIは、Codex Remoteを正式提供しました。

Codexは、プログラム作成や業務ツール作りを手伝うAI機能です。Codex Remoteは、手元のパソコンや外部の作業環境とつなげて、Codexに作業を進めてもらうための機能です。

たとえば、外出中にスマホからCodexへ作業を依頼し、自宅や会社のパソコン上で進んでいる作業の状況を確認できます。必要に応じて、作業の続行や承認もスマホから行えます。

使い方の例としては、プログラムの修正、社内ツールの改善、Webページの変更、作業途中の確認などがあります。プログラムの専門知識がある人向けの機能ですが、AIに任せた作業を遠隔で確認できる点が特徴です。

Codex Remoteは、すべてのChatGPTプランで使えると案内されています。

6月26日 ChatGPTの個人向けお金管理機能をPlusにも拡大

OpenAIは、ChatGPTの個人向けお金管理機能を、米国のChatGPT Plusユーザーにも拡大しました。

この機能では、対応する金融口座をChatGPTにつなげることで、残高や支出の状況を確認できます。使い方の例としては、「今月の支出で増えている項目は何か」「旅行に使える予算はどれくらいか」「最近の定期支払いを整理して」といった質問があります。ChatGPTは、つないだ口座情報をもとに回答します。

提供対象は、米国のChatGPT Plusユーザーです。Web版、iOS版、Android版で順次利用できるようになります。

6月26日 ChatGPTの音声入力を改善

OpenAIは、ChatGPTの音声入力を改善しました。

音声入力は、キーボードで文字を打つ代わりに、話した内容を文字に変換する機能です。今回の更新では、新しい音声認識の仕組みにより、複数の言語で精度が上がったとされています。

この改善は、すべてのプランに提供されます。

6月26日 GPT-5.6 Solを限定公開

OpenAIは、新しいAIモデルとして、GPT-5.6 Solを発表しました。

GPT-5.6 Solは、OpenAIの新しい高性能モデルです。最初は、米国政府の確認を受けた一部の顧客に限定して提供されます。一般提供は段階的に進める予定とされています。

OpenAIは、GPT-5.6 Solについて、ソフトウェアの弱点を見つけて直す用途では強い一方、サイバー攻撃に使われにくいように安全策を組み合わせていると説明しています。米国政府による事前確認の対象になっている点も含め、高性能AIの公開方法が政策上の論点になっています。

Anthropic(Claude)

6月23日 Claude Tagを発表

Anthropicは、チーム向けの新機能「Claude Tag」を発表しました。

Claude Tagは、Slack上でClaudeに仕事を依頼できる機能です。Slackは、会社やチームで使われるチャットツールです。チャットの中で「@Claude」と呼びかけると、Claudeに作業を頼めます。

使い方の例としては、会議メモの整理、チーム内の議論の要約、顧客対応の下書き作成、社内資料の確認、プログラムの修正依頼などがあります。Claudeは、Slackの会話の流れを踏まえながら、必要な作業を分解して進めます。

Claude Tagは、Claude EnterpriseとClaude Teamの顧客向けにベータ版として提供されます。

6月24日 AnthropicがAlibabaによるClaudeの不正利用を主張

Anthropicは、中国のAlibaba関係者がClaudeの能力を不正に抜き出そうとしたと主張しました。

Anthropicによると、AlibabaのAI研究部門に関係する運営者が、約2万5,000件の不正アカウントを使い、Claudeと2,880万回以上やり取りしたとされています。目的は、Claudeの出力を使って別のAIモデルを訓練することだったと説明されています。

このような行為は、AIの分野では「蒸留」と呼ばれることがあります。蒸留とは、高性能なAIの回答を使って、別のAIに似た能力を学ばせる方法です。研究や開発で使われることもありますが、利用規約に反する形で行われれば問題になります。

米国と中国のAI競争が強まる中で、高性能AIへのアクセス管理や、AI企業の知的財産をどう守るかが論点になっています。

6月26日 米政府がClaude Mythos 5の一部利用を認める

米国政府は、AnthropicのClaude Mythos 5について、一部の米国組織向けに利用を認めました。

Claude Mythos 5は、6月12日にClaude Fable 5とあわせて一時停止されていました。米国政府は、国家安全保障上の懸念を理由に、外国籍の人が両モデルを使えないよう求めていました。その結果、Anthropicは全顧客向けにFable 5とMythos 5を止めていました。

今回、Mythos 5は、重要インフラを守る米国の組織などに限定して再び使えるようになります。重要インフラとは、電力、水道、通信、金融、交通など、社会の土台になる仕組みです。

一方、Fable 5は、この時点では一般利用が再開されていません。Anthropicは、Fable 5を一般利用向けに戻すため、米国政府と協議を続けると説明しています。

6月27日 Fable 5の一般利用再開に向けた動きが報じられる

米国政府が、AnthropicのClaude Fable 5について、一般利用の再開を認める方向で調整していると報じられました。

この報道時点では、Fable 5の一般利用はまだ再開されていません。再開時期や対象地域、料金の扱いは、Anthropicや米政府の今後の発表を確認する必要があります。

Google(Gemini)

6月22日 Google Sheetsで数式エラーをGeminiが修正

Googleは、Google Sheetsで数式エラーを見つけて修正するGemini機能を発表しました。

今回の機能では、エラーが出た数式について、Geminiが周辺のデータ構造を見ながら原因を説明し、修正案を出します。

利用には、Google Workspaceの対象プラン、Google AI Pro、Google AI Ultra、Google AI Pro for Education、AI Expanded Accessなどが必要です。

Microsoft(Copilot)

6月23日 Copilot CLIの新しい画面を正式提供

GitHubは、Copilot CLIの新しいターミナル画面を正式提供しました。

CLIとは、コマンドを入力して、ファイル操作、プログラムの実行、開発作業の管理などを行う黒い画面のことです。

Copilot CLIは、その画面上でGitHub Copilotを使える機能です。今回の更新では、GitHub上の課題、変更依頼、短いコード共有などをタブで確認しやすくなりました。設定も画面から行いやすくなり、見た目も整理されています。

使い方の例としては、ターミナル上で作業しながらエラーの原因を聞く、修正コマンドを提案してもらう、GitHub上の課題を確認する、といったものがあります。

利用には、GitHub Copilotの対象プランや利用権限が必要です。

6月25日 GitHub Copilot for Jiraを正式提供

GitHubは、GitHub Copilot for Jiraを正式提供しました。

Jiraは、ソフトウェア開発やプロジェクト管理で使われるタスク管理ツールです。開発チームでは、不具合、改善要望、作業予定などをJiraに登録して管理します。

使い方の例としては、Jiraに登録された修正依頼をもとに、GitHub Copilotがコード修正を進める、作業状況をJira側で確認する、修正後に追加指示を出す、といったものがあります。

その他

6月23日 ByteDanceが動画生成AI「Seedance 2.5」を発表

ByteDanceは、動画生成AI「Seedance 2.5」を発表しました。

Seedanceは、文章や画像などをもとに動画を作るAIです。今回のSeedance 2.5では、30秒の動画を一度に作れる点が大きな特徴とされています。短い動画をつなぎ合わせるのではなく、1本の動画として生成するため、人物や背景のつながりを保ちやすくなります。

また、最大50点の参考素材を使えるとされています。参考素材とは、画像、動画、音声など、AIに「この雰囲気に近づけてほしい」と伝えるための材料です。

使い方の例としては、商品紹介動画、観光PR動画、ゲームや映画のイメージ映像、SNS向けの短い映像、絵コンテ段階の試作動画などがあります。

Seedance 2.5は、発表時点では企業向けのベータ版として提供され、一般提供は7月初旬に予定されています。料金はこの時点では公表されていません。

6月25日 AdobeがAI画像・動画補正のTopaz Labs買収を発表

Adobeは、AIを使った画像・動画補正ツールを提供するTopaz Labsを買収すると発表しました。

Topaz Labsは、画像を高解像度化する、動画のノイズを減らす、古い映像をきれいにする、手ぶれを補正する、といったAI技術を持つ企業です。写真や映像を新しく作るAIというより、すでにある素材をきれいにしたり、使いやすくしたりするAIに強みがあります。

Adobeは、Topaz Labsの技術をAdobe Firefly、Photoshop、Lightroom、Premiereなどに取り入れる方針です。Premiereは動画編集、PhotoshopとLightroomは画像編集でよく使われるAdobeのソフトです。