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審議会資料解説

第118回 調達価格等算定委員会支援終了後も発電を続けるための費用削減と売電、価格への要望

木質・バイオガス・中小水力・地熱の団体が示した費用削減策と制度要望を説明。試算の条件と、11月2日公表の風力入札結果も整理します。

公開日:2026.11.06 / 開催日:2026.11.06 / 配布資料に基づく解説

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支援が終わった後の収入と費用を、電源別に説明

第118回の配布資料では、バイオマス、中小水力、地熱の業界団体が、発電コストの動きと自立化への取組を示した。固定価格で買い取るFIT、市場での売電にプレミアムを加えるFIPの支援期間が終わった後も、発電を続けるための売電先や費用の削減が論点となる。

燃料を買い続ける電源と、設備や地下資源の維持に費用をかける電源では、削減できる項目や必要な投資が異なる。以下は今回の団体説明と要望であり、価格の決定や会合の結論は、今後の公式記録で確認する。

出典:第118回・資料1〜5

木質バイオマスは、燃料費と新しい収入源が課題

日本木質バイオマスエネルギー協会の調査は12発電所が回答した。2020年に対する2025年の燃料調達価格は82〜202%、運転維持費は94〜191%。回答数が前年の19から変わり、回答事業者も一部入れ替わっているため、同じ発電所を継続追跡した平均上昇率としては扱わない。

燃料の取引条件や品質管理を見直し、木材の集荷・加工・輸送を効率化する。支援終了後に向けて、長期の電力購入契約であるPPA、環境価値の販売、容量市場、排熱や灰の販売などで収入を確保する取組も示した。

団体は、PPAを結ぶ需要家への施策、金融機関による融資条件の柔軟な運用、燃料費負担への支援を求めた。林地残材を低コストで使う小型の国産機械、輸送に使う林道・橋梁の改良、燃焼灰の有効利用技術への支援も要望している。

出典:資料1 PDF2〜3・5〜11頁

バイオガスは、ガスをためて発電時間を動かす

日本有機資源協会は、原料の安定調達、設備利用率の向上、食品廃棄物と家畜排せつ物の混合発酵、液肥や熱の利用などを報告した。バイオガスは発生したガスを一時的にためられるため、価格の低い時間帯の発電を抑え、別の時間へ移す運用案を示している。

資料には、2025年6月の出力制御中に発電を止め、ガスをためて制御終了後に発電を再開した事例がある。運転案では、発酵の状態や温度管理への影響も考慮し、毎日細かく変更する方法と一定の運転パターンを区別している。

2027年度の新規認定から50kW以上がFIP制度のみとなる区分を踏まえ、市場で売電するための運転条件を検討する。協会は、物価上昇を価格へ反映すること、廃棄物処理や資源循環の価値を踏まえた支援、事業の計画から稼働までを見通せる制度を求めた。

出典:資料2 PDF6〜7・11〜15・19〜20頁

大型バイオマスは、燃料の多角化と環境価値の長期販売

バイオマス発電事業者協会は、主に大型の既設案件を対象に、保守・人件費・輸送費・金利の上昇を報告した。木質燃料やヤシ殻に加え、パーム油製造後の空果房を加工するEFBペレットなど、燃料の選択肢を増やす取組を紹介している。

売電の事例には、広畑バイオマス発電所のFIP移行と、年間約5.3億kWh分の環境価値を大阪ガス経由でJR東日本へ提供する取引がある。発電した電気の供給と、環境価値を受け渡す取引の構成を分けて説明している。

団体は、支援終了後の長期PPAや相対販売を見据え、炭素価格の中長期的な見通し、非化石証書の価格制約の見直し、環境価値を長期で取引できる市場の整備などを提案した。

出典:資料3 PDF2・4〜8頁

中小水力は、199kWモデルで修繕と増電の効果を試算

中小水力4団体は、既存ダム・水路などの活用、機器の調達・標準化、設備修繕の効率化を報告した。コスト削減のモデルは、出力199kW、設備利用率60%、事業期間40年。利息2.9%、年間の物価上昇率1%などを条件に置いている。

2026年の費用を反映した削減前の発電原価は、FIT期間の最初の20年間が33.2円/kWh、21〜40年目が14.4円/kWh。資本費10%減、維持管理費16.5%減と、高効率の水車部品による18%程度の増電を織り込んだ試算では、それぞれ24.3円、10.2円となった。

これらは指定した設備・費用・削減策のモデル計算である。団体は、当面の制度支援を活用し、修繕周期の見直しや老朽設備の効率改善を進めながら、支援終了後も長く運転する方針を示した。

出典:資料4 PDF3〜12頁、特に7・10〜11頁

地熱は、地下の生産維持と価格への物価反映を求める

日本地熱協会は、掘削、設備、建設、人件費などの上昇と、地下から取り出す蒸気量を維持する投資を課題に挙げた。現行の助成制度などを反映した30MWモデルの初期投資額は約412.88億円で、比較に用いた2012年モデルの1.58倍とした。

物価・資機材費や現行FIP価格を踏まえた2026年の30MWモデルでは、15年間の税引後の投資収益率は1.33%。掘削費や操業人員の削減、蒸気生産量の向上など2040年度までの長期目標を全て達成する試算では5.25%となる。目標値は精査中で、発電期間中の物価変動は考慮していない。

団体は、業界の費用削減を進めるとともに、2027年度以降のFIT・FIP価格へ物価上昇を適切に反映し、削減策が効果を発揮するまで支援を続けるよう求めた。

出典:資料5 PDF3〜17頁、特に6〜7・12〜14・17頁

参考の風力入札は、11月2日に公表された結果

参考資料1は、電力広域的運営推進機関が11月2日に公表した既出の入札結果である。陸上風力第6回は、募集700MWに対して7件・329.07MWが入札し、全件が落札。加重平均落札価格は11.12円/kWhだった。応札量が1,100MWを下回ったため、2026年度の追加入札は行わない。

着床式洋上風力第4回は、海洋再エネ整備法の適用対象外の設備が対象。募集190MW、上限価格32.0円/kWhで、提出された事業計画と入札・落札はいずれも0件。今回の会合で新たに入札結果を決定したものとは区別する。

出典:参考資料1 PDF1〜4頁

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