金属キャスクを2種類追加する申請と、許可までの手順
使用済燃料を保管する青森県むつ市のリサイクル燃料備蓄センターで、利用する金属製容器「キャスク」を2種類追加する申請の審査結果案が示されました。型式証明を受けた容器を追加するため、施設側の保管条件や熱を逃がす機能などを確認しています。
事務局は審査結果案の取りまとめ、原子力委員会と経済産業大臣への意見聴取、特段の意見がない場合に原子力規制庁長官の専決処理で変更を許可する手順を付議しました。この記事は配布資料に基づき、会合の議事録と正式な変更許可は公開後に追記します。
出典:資料1 PDF1〜2頁
追加する容器と、収納できる燃料の条件
追加するのは、沸騰水型原子炉の使用済燃料を保管するBWR用大型キャスク(タイプ2B、HDP-69B(B)型)と、加圧水型原子炉向けのPWR用キャスク(タイプ2、MSF-24P型)です。BWR用は東京電力HDと日本原電、PWR用は日本原電の原子炉から出る燃料を対象とします。
PWR用タイプ2に入れる燃料は17×17燃料に限り、燃料が出し続ける熱である崩壊熱の上限を、容器1基当たり15.8kWから13.9kWに制限します。事務局の審査案では、建屋の温度評価や放射線の遮蔽、津波、容器の転倒などを確認しています。
建屋の温度評価では、PWR用の床は最高62.0℃で、既許可の基準65℃を下回るとしています。型式証明済み容器を追加する変更は科学的・技術的に重要な判断を伴わないとして、審査結果案への科学的・技術的意見の募集を行わない方針も付議しました。
IAEAの安全基準は、承認と修正案の再確認を分けて報告
資料3は、10月19〜22日に開かれたIAEA安全基準委員会(CSS)第60回の結果報告です。原子力発電所の定期安全レビューと、立地評価における気象・水文などの自然災害に関する2文書が承認されました。自然災害の指針は、福島第一原発事故の教訓として、推定の不確実さ、設計で想定する範囲を超える事象、複数の災害の組み合わせを反映するものです。
原子力発電所の試運転・運転の安全要件と、革新技術の安全性実証に関する指針の2文書は、会合中の修正案を委員全員に再確認し、反対意見がなければ変更案を承認する手順で合意しました。小型モジュール炉などの新しい技術について、既存の基準や運転経験で十分に扱えない課題をどう実証するかも対象となります。
安全文化・試運転・火山の3分野は、文書作成計画を承認
CSSは、安全のためのリーダーシップ・マネジメント・文化、原子力発電所の試運転、原子炉等施設と放射性廃棄物処分施設の火山ハザードに関する文書作成計画も承認しました。試運転の指針は、小型モジュール炉やデジタル制御、運転経験などを踏まえて改訂する計画です。
火山に関する指針では、地下への火成岩の貫入を含め、新しい知見を評価へ取り入れます。次のCSS会合は2027年4月12〜16日の週を予定しています。今回の報告は国際安全基準の策定状況を示しており、国内の規制への反映は別途確認します。
出典:資料3 PDF1・4頁
表彰と施設トピックス
資料2では、放射線安全管理功労9人、環境放射能対策功労3人の委員長賞受賞を報告。表彰式は11月16日10時30分から予定しています。10月26日〜11月1日の施設トピックスは、法令に基づく発生報告、運転上の制限からの逸脱、海外、その他の各欄がいずれも該当なしでした。
一次資料
原子力規制委員会