設備を守る人と、新しい点検技術を一緒に考える
第37回は、太陽光、再エネ事業、火力、自家発電の業界団体から、長期的な安全確保の課題と取組を聞く回です。事務局は、人材の確保・育成、技術に合わせた制度、設備の多様化や老朽化・災害への対応を論点として示しています。
事務局資料の参考試算では、AIやロボットなどの対策を講じない条件で、2040年の電気保安人材が約5万人不足します。設備の増加や人口減少、事業者への調査を前提とする見通しで、対応策を検討する材料です。
太陽光の直流1000Vは、設備・教育・検査を組にした提案
太陽光発電協会は、パネルの高出力化などに合わせ、直流1000V以下の標準仕様の設備に限定した施工者要件を検討するよう提案しています。現在は直流750Vを超えると高圧として扱われ、施工できる人材が限られるという課題を挙げました。
提案は、対応機器や回路、感電・アークなどへの対策、追加教育と技能確認、作業範囲、竣工時の検査・記録を一体で整えるものです。今後、要件整理、限定実証、統合的な評価を経て制度へ反映する段階を想定しています。
遠隔監視で何を代替し、誰が判断するか
太陽光発電協会は、定期点検を基本に、常時監視と遠隔診断で異常の兆しをつかみ、有資格者の判断から現地対応へつなぐ案を示しました。監視の性能、通信が切れた際の代替措置、データ改ざん対策、判断と対応の履歴を条件に挙げています。
再生可能エネルギー長期安定電源推進協会は、第二種電気主任技術者の育成、離れた発電所の監督体制、遠隔監視が目視点検を代替・補完できる範囲の明確化を要望しました。担当する会社が異なる設備の統括や、風車メーカーからの情報提供も課題にしています。いずれも業界からの提案・要望として示された内容です。
火力は起動停止の増加、自家発電は非常時の燃料も課題
火力原子力発電技術協会は、発電量の変更や起動停止が増える運用に合わせ、温度変化による材料の疲労などを考えた保全計画が必要と説明しています。設備診断から補修・更新へつなぎ、熟練者が持つ経験を整理して継承する考え方です。
日本内燃力発電設備協会は、データセンターなどで非常用発電機の保守需要が増える一方、人材確保が難しいと報告しました。普段動かさない設備にも点検費用を確保し、浸水や降灰の対策、災害時に燃料を入手する手順、更新計画を事前に考える課題を挙げています。
次回のヒアリングへ
事務局は第37・38回で業界の課題と取組を聞く方針を示しています。資格・選任・点検の要件をどこまで変えるかは、業界の提案と今後の制度判断を区別して追います。第38回の水力・風力・電機業界の説明へ。
電力安全小委員会