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審議会資料解説

第6回 二酸化炭素貯留事業等安全小委員会CO₂を運ぶ管と地下に貯める設備の安全基準案

CO₂が漏れたときの周辺への影響、設備の腐食、地下の圧力をどう確かめるか。導管・井戸・貯留層の安全基準案と、今後の意見募集予定を整理します。

公開日:2026.10.27 / 開催日:2026.10.26

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今回の要点

工場などで集めた二酸化炭素(CO₂)を地下に閉じ込めるCCSでは、運ぶ途中の管、地下へ送り込む井戸、CO₂を貯める地層のそれぞれで安全を確かめます。第6回は、この確認方法を具体化する事務局案を扱いました。

管から漏れたCO₂が住宅などへ届く濃度と時間を計算し、井戸の設備が高い圧力に耐えるか確かめます。地下では、CO₂を閉じ込める地層に大きなき裂を作らないよう、注入する圧力と量を管理する案です。

会合は2026年10月26日開催。本文は配布資料の案に基づきます。10月27日の公式ページに議事録・要旨は掲載されておらず、会合での了承や修正は公開後に確認します。

運ぶCO₂の性質に合わせ、安全を確かめる方法を示す

現行の省令は、漏えいの防止、設備の強度、腐食の防止などを求めています。今回の解釈例案は、その要求を満たす具体的な方法を示すものです。導管輸送の解釈例の対象は、CO₂の体積比が99%以上の流体と整理しています。

事業者が同等以上の安全性を証明できる別の方法は、個別に審議して使える扱いを示しています。管の置き方や運転圧力、CO₂に混じる物質、周りの地形に応じた確認が必要になります。

出典:資料1(1頁):適用範囲と解釈例の扱い(PDFのページ番号)

出典:資料2(2〜3頁):現行の基準とCO₂固有の課題(PDFのページ番号)

管から漏れたときは、濃度とその状態が続く時間を計算する

CO₂が漏れた場合の影響は、濃度と滞留時間を組み合わせて評価する案です。住宅、学校、病院などがある場所に、濃度1.5%(15,000ppm)のCO₂が15分以上、濃度0.5%(5,000ppm)のCO₂が8時間以上たまる範囲が重ならないかを確認します。ppmは濃度を百万分のいくつかで表す単位です。

計算には運転圧力、管の経路、流れを止める装置の間隔を使い、風の条件や低い土地にたまる影響も考えます。ここで示す数値は、設備の漏えい影響を評価する案の条件です。

最初に具体的な計算手順を示すのは、他の工事による事故を防ぐ措置がない埋設管です。直径20mmの穴が上向きに開く場合を想定し、弱い風・中程度の風・強い風の3条件で評価します。工事事故への防護がある管などは、腐食による5mmの穴を想定する詳しい方法を、JOGMECの実証結果を踏まえて後日加える方針です。

計算ソフトには実験での検証や、濃度・高さ・滞留時間を評価できる機能を求めています。原則として利用可能な最新版を使い、同等の機能が仕様などで確認できる場合は別の版も認める案です。

出典:資料2(4〜6、12〜13、26頁):評価条件と残る手順(PDFのページ番号)

出典:参考資料1(57〜60頁):健康影響、ソフト、計算手順の条文案(PDFのページ番号)

管のさびと、き裂が広がることを防ぐ

CO₂に水や不純物が混じると、管の内側が腐食するおそれがあります。案では運ぶCO₂の状態と土壌に合う材料を選び、腐食を見込んだ厚さを確保し、必要に応じて内面をコーティングします。対策が効いているか、年4回程度の腐食検査で確認する内容です。

十分に水分を取り除いたCO₂の条件は、管内で水滴ができ始める水分量の半分以下で、かつ体積比50ppm以下としています。水がたまりやすい低い場所などには、水分を除く設備を設ける考え方も示しています。

高い圧力のCO₂を運ぶ管では、小さなき裂が長い範囲へ広がる破損も課題です。材料の粘り強さと管の厚さを確認し、き裂の広がりを止められる設計を求める案です。漏れを検知して自動で流れを止める装置は、警報装置とつなぐ内容としています。

出典:資料2(14〜16、24〜25頁):腐食・き裂・水分(PDFのページ番号)

出典:参考資料1(15、43、53〜54頁):材料、水分、腐食検査、遮断装置(PDFのページ番号)

井戸は、地上と地下の両方で流れを止められるようにする

井戸の地上部分には、流量や圧力を調整して流れを止める装置を置き、地下にも安全遮断弁を設ける案です。災害で地上の装置が働かなくなる場合も考え、地下の弁で逆流を防ぐ役割を持たせます。

設備の強さを確かめる基準には、注入中や停止中などに井戸の入口へかかると予想する最大の圧力を使います。地上の装置と地下の安全弁は、その1.5倍以上の圧力に必要な耐圧性能を持つ案です。地下の弁では、閉じる性能と動作も確認します。

住宅、学校、病院などと井戸の地上部分の距離は20mとする案です。同等以上の安全性を確保する措置を取る場合は距離を短くできる扱いも示しています。設置時・設置後の自主検査で使う試験方法は、別に検討する予定です。

出典:資料3(2〜6頁):地上・地下の装置、圧力、距離、自主検査(PDFのページ番号)

地下では、CO₂の広がりと地層の変形を計算する

CO₂を貯める地層の上には、上へ漏れ出すのを防ぐ地層があります。資料ではこれを遮蔽層と呼びます。安全管理の案は、この層に大きなき裂を作らないこと、断層を大きく動かさないこと、地表や海底を過度に変形させないことを目的としています。

CO₂と圧力の広がりを予測する計算に加え、地層にかかる力や変形を予測する計算を行う案です。経産省は、2026年版の国際規格の改訂内容も踏まえつつ、日本の複雑な地質や地震を考え、地層の力学的な計算を引き続き求める考えを示しています。

圧力の上限は、遮蔽層の最も下の部分で、き裂が伸び始める圧力の90%以下を基準とする案です。注入する深さと遮蔽層の間にあるCO₂の重さによる圧力を考慮するか、遮蔽層の最下部の圧力を計算して上限を確かめます。地層の強さの見積もりには不確かさも評価し、その場合も地層破壊圧を上回らないことを確認します。

現地の地質や井戸で得るデータから、注入できる圧力と量を決める考え方です。

出典:資料4(5〜8、11〜14頁):国際規格、二つの計算、圧力と地層の条件(PDFのページ番号)

出典:参考資料2(1〜3頁):ガイドライン案の修正内容(PDFのページ番号)

監視を強める条件、注入を止める条件を先に決める

注入前の状態を記録し、圧力や地層の動きなどをどの場所で、どの頻度・精度で測るかを計画する案です。実際の測定と予測がずれたときには、追加の調査、監視の強化、注入量の削減、一時中断といった対応を段階ごとに決めておきます。

通常の運転へ戻す条件もあわせて設定します。計画の認可後から注入開始までに新しいデータが得られた場合は、判断基準と対応を見直す考え方です。

出典:資料4(15〜17頁):監視項目、判断基準、対応と復帰(PDFのページ番号)

導管の解釈例は11月から意見募集、2027年1月の公表・施行を予定

資料1は、導管輸送の解釈例について2026年11月上旬〜12月上旬に意見募集を行い、2027年1月中に公表・施行する予定を示しています。具体的な開始日と締切日は、この資料では示されていません。

今後は意見募集での修正、工事事故への防護がある管などの詳しい漏えい評価手順、自主検査の方法を確認します。地下貯蔵のガイドライン案も、最終版と会合の結論を追います。

出典:資料1(2頁):今後の予定(PDFのページ番号)

一次資料と関連解説

二酸化炭素貯留事業等安全小委員会

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