今回の要点
追加調達を行わない年の契約機会と、能力を確かめるテストの条件を検討しました。充当措置は2028年度、テスト見直しは2029年度の供給分から適用する案です。
開催日:2026.10.22。この記事の公開日は2026.10.22です。
追加調達がない年にも、能力を確かめた電源を組み入れる案
容量市場は、将来の電気をつくる能力を確保する仕組みです。発動指令電源は、需給が厳しいときに発電したり、工場などで電気の使用を減らしたりして供給を助けます。契約前には、約束する能力を出せるか「実効性テスト」で確かめます。
今回の事務局資料は、通常の追加調達オークションを開かない場合の「充当措置」を具体化しました。最初の入札で確保した発動指令電源のうち退出した分を上限に、テストで能力を確認した電源を契約に組み入れる案です。必要量の供給力が既にある場合の措置なので、小売会社などが負担する容量拠出金が過大にならない条件を設けます。
| 項目 | 資料3の制度案 |
|---|---|
| 実施する場合 | 通常の調達オークションを開かない場合。地域別開催なら開かない地域が対象 |
| 上限容量 | 最初の入札で落札した発動指令電源のうち退出した容量。実際の供給の前年4月頃の開催判断時点で算定 |
| 価格 | 最初の入札の地域別価格。二段階で価格を決めた年度は一段階目の価格 |
| 候補が上限を超える場合 | 過去の実効性達成率が高い電源を優先。同率は無作為に決定 |
| 適用予定 | 2028年度に供給する分の追加オークションから。募集要綱・業務マニュアル等へ反映 |
参加できるのは、落札済みなら「テスト後の期待容量×調整係数−最初の契約容量」が1,000kWを上回る電源、未落札なら「テスト後の期待容量×調整係数」が1,000kWを上回る電源です。未落札には、最初の入札で落札しなかった容量と、その時点で供給力として確定せず入札していなかった容量を含みます。
供給力の余剰分を減らすリリースオークションを開催する場合は、充当措置を行わない案です。両方を行うと、買い戻す量と価格が変わり、小売会社などへ実質的に戻る金額が減ることを理由としています。
早期の導入に向け、既存の調達オークションの一類型として扱います。2027年度の2月頃の募集要綱等公表、4月頃の実施判断、7月末頃の結果公表などを示した工程に沿って準備する方針です。
出典:資料3「発動指令電源における供給力確保の蓋然性向上に向けた措置」(PDF 7〜21頁)
実効性テストは、夏・冬とも上限2回にする案
現在は夏を選ぶと最大3回、冬を選ぶと最大2回のテスト機会があります。複数回のうち最も高い結果で契約能力を決めるため、回数の違いが評価の違いにつながります。
事務局は、良い結果を採る仕組みを維持しつつ、夏・冬とも上限2回にそろえる案を示しました。再テストは初回と同じ季節の期間内に行います。直近のテスト結果や平均値を採用する案は、機器の故障などで低い評価となった事業者の不利益を避けるため採用しない整理です。
テスト回数を増やすと契約上の能力が高く出やすい一方、実際の需給が厳しい場面で供給した割合は契約能力の70〜80%程度とされています。安定供給と費用負担を考え、テスト結果と実際の能力の差を広げない狙いがあります。
工場の操業が少ないお盆や年末年始の前後は、節電で減らせる量が小さく評価されることがあります。そのため、前後の平日の一部もテスト日から除外し、具体的な除外日は広域機関が毎年度のマニュアルで指定する案です。この扱いはテスト日の設定であり、実際の供給期間に発動指令の対象外となる休日を増やすものではありません。
出典:資料4「実効性テストの目的と整合させる仕組み」(PDF 13〜22頁)
実際に対応した実績を、テストの代わりに使いやすくする案
実際の需給ひっ迫時に対応した実績を、テストの代わりに報告する仕組みも見直します。現在は、テスト時と実際の発動時の登録地点がそろうことなどが必要で、需要家や設備が入れ替わると利用しにくい課題があります。
| 項目 | 資料4の見直し案 |
|---|---|
| 地点の条件 | リスト全体の一致を求めず、同一期間の指令に対応した地点の実績を利用 |
| 不足する地点等 | 地点が不足する分、指令の期間が異なる分、他事業者の実績はゼロとして評価 |
| 実績の水準 | 実効性達成率が100%未満でも代替報告を認める |
| 再テストとの関係 | 再テストを申請した事業者は実績による代替を不可とする |
| 対象となる実績の期間 | 夏季選択は4月1日〜8月31日、冬季選択は10月1日〜1月31日 |
代替報告はテスト1回分に相当する扱いです。テスト時の期待容量を全量出せた場合だけに限っていた条件を緩め、実際に確認できた能力を評価しやすくします。
テスト日・回数・代替報告の見直しは、2029年度の供給分に向けて2027年度に行う実効性テストから適用する案です。テスト日と回数は業務マニュアル、代替報告は容量確保契約約款へ反映する方針が資料に示されています。
出典:資料4(PDF 23〜28頁)
募集要綱・約款への反映を確認する
充当措置は2028年度の供給分、テスト見直しは2029年度の供給分で、対象年度が異なります。10月22日の配布資料は今後の規程反映を示しており、会合の議事録で確認できる了承結果はまだ得ていません。募集要綱、マニュアル、約款と、今後の議事録を確認します。
一次資料と次に確認すること
- 【資料1】議事次第 (91KB)
- 【資料2】委員名簿 (103KB)
- 【資料3】発動指令電源における供給力確保の蓋然性向上に向けた措置について (2390KB)
- 【資料4】発動指令電源における実効性テストの目的と整合させる仕組みについて (3564KB)
議事次第・委員名簿は会合の情報として確認しています。議事録や要旨に記された結果がある箇所は本文で示し、配布資料だけの提案は事務局案として説明しています。
容量市場検討会