AIニュース(2026年10月4日〜10月10日分)
今週はChatGPTの回答に図や操作画面が加わり、Claudeでは文書編集や説明動画を作る機能の利用範囲が広がりました。新しいHaiku 5.5、会社の資料を扱うGemini at Work、端末内で情報を探すモデルなど、10月11日時点の提供条件を整理します。
ChatGPT:図や操作できる画面で答える
10月7日、OpenAIはChatGPTの通常の会話で使うGPT-6と、回答に図や操作できる画面を組み込むIntelligent UIを発表しました。質問に応じて、文章に加え、グラフやボタン、入力欄などを表示します。画面を触りながら説明を確かめられるようになります。
Plus、Pro、Business、Enterpriseでは10月7日からGPT-6 Sol、FreeとGoでは8日からGPT-6 Lunaを提供します。世界各地が対象で、Enterpriseは管理者の設定も確認する必要があります。今回の変更は通常のChatの機能で、WorkとCodexで使うモデルは従来のままです。
Claude Haiku 5.5:小型モデルを提供開始
10月7日、AnthropicはClaude Haiku 5.5を発表しました。Claude PlatformのAPIに加え、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureで提供します。開発者がアプリから利用するモデルで、考える量を設定できる機能も加わりました。
APIは、文章を処理する量の単位「トークン」で課金されます。入力が10万トークンまでの場合、100万トークン当たり入力0.10ドル、出力0.50ドル。10万を超える場合は入力0.50ドル、出力2.50ドルです。同時にSonnet 5.5では、保存した入力を再利用する料金が100万トークン当たり0.20ドルから0.10ドルへ下がりました。
Claude:更新されるグラフと短い説明動画
10月8日、AnthropicはClaude DashboardsとClaude Motionのベータ提供を始めました。Dashboardsは会社のデータサービスなどにつなぎ、質問からグラフや集計画面を作る機能です。元のデータが変わると表示も更新し、グラフで使った問い合わせ内容や更新時点を確認できます。有料プランが対象です。
Motionは文章、図表、写真などを動かす短い説明動画を作る機能で、TeamとEnterpriseが対象です。会話や編集画面で直し、MP4で保存できます。Runwayへ渡すと、生成した映像や声、音楽を追加して仕上げられます。EnterpriseではDashboardsとMotionは初期設定で無効で、管理者が有効にします。
同日、Docs、Slides、Designはベータを終え、無料を含む全プランで利用できるようになりました。Enterpriseでは管理者がすぐ有効にでき、10月15日からは初期設定でも有効になります。
出典:Anthropicの発表(10月8日)、Runwayへの引き継ぎ(10月8日)
Claude:Googleの文書・表・スライドを直接編集
10月6日、Claude for Google Workspaceの公開ベータが始まりました。Google Docs、Sheets、Slidesを開いたまま、横の欄でClaudeに修正を頼めます。選んだ文章、セル、スライドを読み、文書の修正や数式・グラフの作成などを行います。Claudeの全有料プランが対象です。
Claudeの会話からGoogleのファイルを作成・編集する接続機能もベータ提供されます。利用できるファイルは既存のGoogleの共有権限に沿います。TeamとEnterpriseでは、接続機能を先に管理者が有効にする必要があります。追加機能の導入と、Claude側の接続設定は用途に合わせて選びます。
Gemini at Work:会社の資料と業務アプリをつなぐ
10月8日、Google CloudはGemini at Workを発表しました。会社の資料を探し、内容をもとに文書を作り、業務アプリで作業を進める仕組みです。Gemini Universal Agentを中心に、Google Workspaceや外部の業務システムをつなぎます。作業を続けるためのクラウド実行環境も用意します。
管理者は接続先や利用権限、費用の上限を管理できます。Googleは利用企業の例を示していますが、発表本文には全顧客への一律の利用開始日や日本向けの料金表は示されていません。導入する企業は契約ごとの提供条件を確認する必要があります。
EmbeddingGemma 2:端末内で文章・画像・音声を探す
10月6日、GoogleはEmbeddingGemma 2を公開しました。文章、コード、画像、音声、動画を比較しやすい数値へ変え、関連する情報を探すモデルです。文章で動画の特定の場面を探すなど、異なる種類の情報をまとめて検索する用途に使えます。
開発者はHugging FaceとKaggleからモデルを入手でき、商用利用を認めるApache 2.0ライセンスで提供されます。スマートフォンやパソコン内で処理するアプリを作るための設計で、外部サーバーへ送らずに検索する仕組みも構築できます。Google CloudのModel Gardenへの追加は今後の予定です。
Microsoft 365 Copilot:検索結果から追加質問
Microsoftは10月6日付の更新情報で、9月22日〜10月6日に提供した機能をまとめました。Windows版とWeb版では、Copilot Searchの検索結果をもとに、そのまま追加質問や要約、文章作成へ進めます。Web版のCopilot Chatでは、回答を作り直す際に別のモデルを選ぶ操作も加わりました。
Microsoft 365 Copilotの対象者へ段階的に展開する機能です。更新情報の掲載日は10月6日ですが、個別の機能が使い始められる日は、機能や組織によって異なります。
ElevenLabs:会話の声と画像・動画の制作設定
10月5日付の更新情報では、会話用AIのElevenAgentsでEleven v4とEleven v4 Turboを選べるようになり、初期設定の音声モデルがv4 Turboへ変わりました。v4自体は前週に発表されたモデルです。今回は会話用の設定や開発用の道具への反映を扱います。
10月9日には、ElevenCreativeでBrand Kitの提供が始まりました。色、字体、ロゴ、参考画像、制作ルールを保存し、画像や動画を作る際に呼び出せます。同じ会社や商品の表現をチームでそろえる機能です。声や音の設定への拡張は今後の予定で、発表本文にはプラン別の利用制限は示されていません。
出典:ElevenLabsの更新情報(10月5日)、Brand Kitの発表(10月9日)
TII:アラビア語の会話・音声・文書に対応
10月6日、UAEの研究機関TIIは3種類のFalconモデルを発表しました。Falcon-EmiratiはUAEのアラビア語方言での会話、Falcon-ASRは音声の文字起こし、Falcon-OCR-Arabicは画像や文書からの文字・表・数式の読み取りを扱います。ASRはアラビア語に加え、英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語に対応します。
ASRはHugging Faceのデモで試せます。APIと専用アプリは今後の予定です。EmiratiはFalcon Chatでの提供を予定しています。日本語の文字起こしを使いたい読者には、発表された対応言語の確認が必要です。
