AIニュース(2026年7月5日〜7月11日分)
OpenAI(ChatGPT)
7月8日 自然な音声会話モデル「GPT-Live」を提供開始
OpenAIは、ChatGPTの音声機能を支える新モデル「GPT-Live」を発表しました。相手の話を聞きながら発話できる全二重通信に対応し、短い相づちを打つ、利用者が考えている間は待つ、会話の途中で質問を受け付けるといった自然なやり取りを目指しています。
Web検索や深い推論が必要な場合は、音声会話を続けながら別のモデルへ処理を委ねます。GPT-Live-1はGo、Plus、Pro、GPT-Live-1 miniは無料プランの標準音声モデルとして、iOS、Android、Webで世界的に提供が始まりました。APIは今後提供する予定です。
7月9日 新モデル群「GPT-5.6」を公開
OpenAIは、GPT-5.6をChatGPT、Codex、APIで提供開始しました。最上位の「Sol」、性能と価格のバランスを取った「Terra」、高速・低価格の「Luna」の3モデルで構成されます。
長時間の調査、Web操作、コーディング、資料作成などを強化し、参考資料や既存テンプレートを読み取って、編集可能なスライド、文書、表計算ファイルを作る能力も改善しました。利用できるモデルはChatGPT、Work、Codexのプランごとに異なり、APIでは3モデルすべてを選べます。
7月9日 複数の業務をまとめて進める「ChatGPT Work」を発表
OpenAIは、アプリやファイルを横断して業務を進めるAIエージェント「ChatGPT Work」を発表しました。目的を伝えると、必要な情報を集め、作業を複数の工程に分けて、表計算、スライド、文書、Webアプリなどの完成物を作成します。
Slack、Microsoft Teams、Google Drive、SharePoint、メール、カレンダー、CRMなどとの接続に対応します。新しい情報を定期的に確認して資料を更新するScheduled Tasksも利用できます。デスクトップでは全プランへの提供が始まり、Webとモバイルは有料プランから順次展開されます。
Anthropic(Claude)
7月6日 カナダ・アルバータ州が4億6600万行のコードをClaudeで調査
Anthropicは、カナダのアルバータ州政府によるClaude Codeの活用事例を公表しました。約50のAIエージェントを並行稼働させ、州政府が保有する4億6600万行のコードを約20時間で調査しています。
Claude Codeは、脆弱性の可能性があるファイルと行を示し、修正用コードとテストも作成しました。アルバータ州は、同規模の調査を従来の方法で行うと約6年半かかる可能性があると試算しています。最終判断は人が行う前提です。
7月9日 Claudeの利用傾向を確認する「Reflect」を公開
Anthropicは、Claudeをどのような用途に使っているかを振り返る機能「Reflect」のベータ版を公開しました。過去1か月、3か月、6か月、12か月の会話をもとに、よく扱う話題、利用する時間帯、作業の種類などを表示します。
Claudeを利用しない時間帯の設定や、一定時間が経過した際に休憩を促す通知も用意されています。メモリーを有効にしたFree、Pro、Maxの利用者がWeb版とデスクトップ版で利用でき、シークレットチャットや健康関連ツールと接続した会話は分析対象外です。
7月9日 半導体や製造工程へのClaude導入でUSTと提携
AnthropicはIT・エンジニアリング企業のUSTと提携し、半導体、自動車、製造設備などを扱うフィジカルAI分野へClaudeを導入すると発表しました。USTは世界の技術者やコンサルタント2万人にClaudeの研修を行います。
半導体設計では、回路図や端子情報を読み取り、設計を検証するテストの作成・実行にClaudeを使います。USTの既存基盤では、通常4日かかっていた検証を48時間に短縮し、検証期間を50〜70%削減した事例があるとしています。
Google(Gemini)
7月8日 Google Photosに動画加工AI「Video Remix」を追加
Googleは、Google Photosに「Video Remix」を追加しました。保存している動画を選び、映画風の照明、背景の変更、水彩画、スケッチ、油絵などの表現を適用できます。
生成処理には動画生成・編集モデル「Gemini Omni」が使われています。対象国のGoogle AI Plus、Pro、Ultra契約者への提供が始まっています。
7月9日 コード最適化AI「AlphaEvolve」を一般提供
Google Cloudは、Geminiを使ったコード最適化エージェント「AlphaEvolve」を、Gemini Enterprise Agent Platformで一般提供しました。既存のアルゴリズム、達成したい目標、候補を評価する基準を渡すと、複数のコードを生成・検証し、より適したアルゴリズムを探索します。
物流、半導体、ゲノム解析、高性能コンピューティング、金融などでの利用を想定しています。候補の探索はサーバー側で行い、評価コードは利用者側の環境で安全に実行できる構成です。
Microsoft(Copilot)
7月9日 Microsoft 365 Copilotの優先モデルにGPT-5.6を採用
Microsoftは、Microsoft 365 CopilotでGPT-5.6を優先的に使うと発表しました。対象はWord、Excel、PowerPoint、Copilot Chat、Coworkです。
Wordでは文章の作成や修正、Excelではデータ分析、PowerPointではスライド作成、Coworkでは複数のアプリや部門をまたぐ業務の実行に利用されます。Microsoft 365 Copilot利用者への提供は、地域やテナントによって時期が異なる場合があります。
その他
7月6日〜7日 国連がAI統治に関する初のグローバル対話を開催
国連はジュネーブで「AIガバナンスに関するグローバル対話」の第1回会合を開催しました。国連の193加盟国に加え、民間企業、市民社会、学術機関、技術関係者が参加できる国際的な枠組みです。
会合では、AIの安全性、説明責任、人間による監督、各国の規制の違い、先進国と途上国の利用格差などが議論されました。条約交渉の場ではなく、異なる立場の知見を共有する対話の場と位置づけられています。
7月7日 Metaが画像生成AI「Muse Image」を公開
Metaは、Meta Superintelligence Labsが開発した画像生成モデル「Muse Image」をMeta AIで公開しました。文章からの画像生成、既存写真の編集、複数画像を組み合わせた生成、画像上に線や指示を書き込む修正などに対応します。
Meta AIとmeta.aiで利用でき、米国のInstagram Storiesや一部のWhatsApp利用者にも展開されます。動画生成モデルMuse Videoはプレビュー段階です。
7月8日 Runwayが画像・動画・音声をまとめて扱う「Runway Dev」を公開
Runwayは、開発者向けの生成AI基盤「Runway Dev」を公開しました。1つのAPIから画像、動画、音声、リアルタイムキャラクターの各モデルを利用できます。
RunwayのGen-4.5、Aleph 2.0、Act-Twoに加え、Seedance、GPT Image 2、ElevenLabsなどの外部モデルにも対応します。広告の多言語化、商品画像の差し替え、複数カットの動画作成などを、あらかじめ組まれた処理として呼び出せます。
確認した資料
OpenAI「ChatGPT for your most ambitious work」
Anthropic「How Alberta used Claude to audit 466 million lines of code」
Anthropic「Reflect with Claude」
Anthropic「Anthropic and UST partner to bring Claude to physical AI」
Google「Transform your videos with Video Remix」
Google Cloud「AlphaEvolve is available for everyone」
Microsoft「OpenAI's GPT-5.6 in Microsoft 365 Copilot」
United Nations「Global Dialogue on AI Governance」
