週刊AIニュース

2026年6月第2週

AIニュース(2026年6月7日〜6月13日分)

更新日:2026.06.15

AIニュース(2026年6月7日〜6月13日分)

OpenAI(ChatGPT)

6月2日 ChatGPT BusinessでCodex関連機能を拡充

OpenAIは、企業向けのChatGPTで、Codex関連の機能を広げました。

Codexは、プログラム作成や業務ツール作りを手伝うAI機能です。文章で「こういう画面を作って」「この作業を自動化したい」と伝えると、必要なコードを書いたり、修正案を出したりできます。

今回の更新では、職種ごとに使いやすい追加機能、作業結果へのコメント機能、社内で共有できる簡単なWebページや業務用アプリを作る機能が案内されました。ここでいうアプリは、スマホアプリというより、ブラウザで開く小さな業務ツールに近いものです。

使い方の例としては、営業チームが商談メモを整理するページを作る、採用チームが応募者の進捗を確認する画面を作る、経理チームが請求書の確認状況を一覧で見る画面を作る、といったものがあります。

Codexは、ChatGPT Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduなどの有料プランに含まれます。Businessプランでは、契約に含まれる利用枠の範囲でCodexを使えます。利用量が多い場合は、追加の利用枠を購入できます。無料プランでも期間限定で使える案内はありますが、企業で継続的に使う場合は有料プランが前提になります。

Anthropic(Claude)

6月9日 Claude Fable 5とClaude Mythos 5を発表

Anthropicは、Claudeの新しいAIモデルとして、Claude Fable 5とClaude Mythos 5を発表しました。

AIモデルとは、AIの頭脳にあたる部分です。同じClaudeでも、どのモデルを使うかによって、文章を読む力、考える力、プログラムを作る力、複雑な作業を進める力が変わります。

Claude Fable 5は、幅広い利用者向けに提供される高性能モデルとして発表されました。Claude Mythos 5は、Fable 5と同じ基盤を使うものの、一部の安全制限を外したモデルで、当初はサイバーセキュリティ分野の限られた相手に提供される予定でした。

Fable 5は、6月22日まではClaude Pro、Max、Team、Enterpriseの各プランに追加料金なしで含まれていました。6月23日以降は、これらのプランから一時的に外れ、使うには利用クレジットが必要になる予定でした。Anthropicは、処理能力に余裕ができれば、Fable 5を再び月額プラン内の標準機能として戻す方針も示していました。

6月11日 AnthropicがAI政策提言を公表

Anthropicは、AIの開発と公開に関する政策提言を公表しました。

提言の中心は、高性能なAIを企業だけの判断で公開するのではなく、外部の評価や政府の関与を入れるべきだという内容です。危険な使われ方をする可能性があるAIについては、政府が公開を止めたり、公開条件を変えたりできる仕組みが必要だとしています。

また、AIによって仕事や経済に大きな変化が起きる可能性にも触れています。AIの利益を社会全体に広げるため、労働者への支援や経済政策も必要だとしています。

6月12日 Claude Fable 5とClaude Mythos 5へのアクセスを停止

Anthropicは、6月9日に発表したClaude Fable 5とClaude Mythos 5について、6月12日にアクセス停止を発表しました。

理由は、米国政府からの指示です。米国政府は国家安全保障上の権限に基づき、米国籍ではない人がFable 5とMythos 5を使えないようにするよう求めました。

対象は米国外の利用者に限られません。米国内にいる外国籍の人や、Anthropicで働く外国籍の社員も含まれます。

Anthropicは、この条件に対応するため、すべての顧客向けにFable 5とMythos 5を停止すると説明しました。ほかのClaudeモデルは影響を受けないとしています。

Google(Gemini)

6月8日 AppleのAI機能にGemini技術が関与

Appleは、iPhoneやMacなどで使うAI機能について、GoogleのGemini技術と協力して作ったモデルを使うと説明しました。

Geminiは、Googleが開発しているAIの名前です。文章、画像、音声などを扱えるAIとして、Google検索、Google Workspace、Androidなどに組み込まれています。

Appleは、ユーザーのプライバシーを守るため、できるだけ端末内で処理し、必要な場合はApple独自の安全なクラウド環境を使うとしています。一部のAIモデルは、GoogleのGemini技術と協力して作られています。

この動きは、Appleが自社のAI機能を強化するために、外部のAI技術も取り入れていることを示しています。ユーザー側では、Geminiという名前のサービスを別途契約するのではなく、Appleの機能として使う形になります。

6月9日 Gemini 3.5 Live Translateを発表

Googleは、Gemini 3.5 Live Translateを発表しました。

これは、話している音声をほぼリアルタイムで別の言語に翻訳するAIです。70以上の言語に対応し、話し手の声の調子、話す速さ、抑揚をできるだけ保ちながら翻訳します。

これまでの翻訳では、話し終わってから翻訳が始まる場面が多くありました。Gemini 3.5 Live Translateでは、話している途中から翻訳を進めます。

使い方の例としては、海外の人とスマホで会話するときに相手の言葉を日本語で聞く、海外旅行中に店員やホテルスタッフとの会話を補助する、多言語のオンライン授業やイベントで話している内容を別の言語に変換する、といったものがあります。

Google翻訳アプリでは、AndroidとiOS向けに世界で順次展開されます。アプリとして使う場合、Google翻訳アプリ自体は無料で利用できます。

一方、ほかのアプリやサービスにこの翻訳機能を組み込む場合は、開発者向けの仕組みを使います。これは、別のアプリからGeminiを呼び出して使う仕組みです。無料で試せる枠はありますが、利用量が増えると料金が発生します。

6月9日 Google Meetの音声翻訳が70言語以上に拡大

Googleは、ビデオ会議サービスGoogle Meetの音声翻訳機能も拡大します。

Google Meetは、仕事や学校のオンライン会議でよく使われるサービスです。音声翻訳を使うと、会議中に話された言葉を別の言語の音声として聞けます。

今回の更新では、Gemini 3.5 Live Translateを使い、対応言語を70以上に広げる予定です。これまでの音声翻訳は対応言語が限られていましたが、今後はより多くの言語の組み合わせで使えるようになります。

使い方の例としては、日本企業と海外企業の会議、海外拠点との社内会議、大学やオンライン講義、国際イベントの打ち合わせなどがあります。通訳者を入れにくい小規模な会議でも、参加者が内容を追いやすくなります。

Google Meetの音声翻訳は、まず一部の企業向けGoogle Workspace顧客に限定プレビューとして提供されます。既存の音声翻訳機能は、Google AI Pro、Google AI Ultra、Google Workspace Business Standard/Plus、Google Workspace Enterprise Standard/Plusなどの対象プランで利用できます。今回の70言語以上への拡大も、まずは対象プランの利用者向けに段階的に広がる形です。

Microsoft(Copilot)

6月9日 Microsoft AI責任者が独自モデル戦略を説明

Microsoft AIの責任者であるMustafa Suleyman氏は、Microsoftが自社でAIモデルを開発していく方針について説明しました。

MicrosoftはOpenAIと深い関係を持ち、ChatGPTの技術を自社サービスにも取り入れてきました。一方で、Microsoft自身も独自のAIモデルを開発しています。

Suleyman氏は、AIによって仕事そのものがすぐになくなるというより、メール作成、資料作成、情報整理など、仕事の中にある細かい作業がAIで効率化されるという考えを示しました。

6月11日 Copilot Notebooksを拡大

Microsoftは、Copilot Notebooksの利用対象を広げました。

Copilotは、Microsoftが提供するAIアシスタントです。Word、Excel、PowerPoint、Teamsなど、仕事でよく使うMicrosoft製品と組み合わせて使われます。

Copilot Notebooksは、AIと一緒に作業するためのノートのような場所です。資料、会話、メモ、参照したい情報をまとめておき、その内容をもとにCopilotに質問できます。

使い方の例としては、会議メモや関連資料をまとめてプロジェクトの状況を要約する、調査メモをもとに報告書の下書きを作る、複数の資料を読み込ませて共通点や違いを整理する、授業メモや教材から復習用の要点を作る、といったものがあります。

利用には、Microsoft 365 CopilotまたはCopilot Chatの対象ライセンスが必要です。ノートブックを作るには、SharePointまたはOneDriveの利用権限も必要です。個人向けでは、Microsoft 365 Personal、Family、Premiumの加入者も対象です。

その他

6月8日 AppleがSiri刷新を発表

Appleは、開発者向けイベントWWDC26で、新しいSiri AIを発表しました。

Siriは、iPhoneなどに入っている音声アシスタントです。新しいSiri AIでは、より自然な会話に対応し、画面に表示されている内容や、メール、写真、メッセージなどの情報をもとに手助けできるようになります。

使い方の例としては、画面に表示されているイベント案内を見ながら「この予定をカレンダーに入れて」と頼む、メッセージやメールの中から待ち合わせ場所を探す、写真の中の情報をもとに内容を確認する、Safariで見ているページについて質問する、といったものがあります。

Siri AI自体に追加料金がかかるという発表ではありません。ただし、一部のApple Intelligence機能は、サーバー上の高性能なAIを使うため、1日の利用回数に制限があります。Appleは、iCloud+の多くのプランで利用枠を増やせると説明しています。

提供は、対応端末を英語設定にしているユーザー向けに、まずベータ版として始まります。ベータ版とは、正式版の前に試験的に提供される版のことです。

EUでは、MacとApple Vision Proでは対応言語に設定すれば利用できますが、iPhone、iPad、Apple Watchでは当初利用できません。中国でも、規制対応が進むまで提供されない予定です。