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用語解説

シングルプライス方式とは

オークションで成立した取引に一つの共通価格を使う方式

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シングルプライス方式とは何か

シングルプライス方式は、ひとことで言うと、落札した人や約定した人ごとに別々の価格を付けるのではなく、同じ商品について成立した取引に一つの共通価格を使う方式です。電力市場では、スポット市場や容量市場などで使われています。JEPXはスポット市場を「ブラインド・シングルプライスオークション」と説明しており、広域機関も容量市場をシングルプライスオークションとして説明しています。

仕組み

仕組みはシンプルです。売り手は「この価格なら売る」、買い手は「この価格なら買う」と入札します。その入札を集めて、需要曲線と供給曲線が交わるところで約定価格を決めます。そして、その価格で成立した取引は、原則としてみんな同じ価格で精算されます。容量市場では、応札価格を安い順に並べた供給曲線と需要曲線の交点を含む応札の価格が約定価格になり、その価格以下で応札した電源が落札対象になります。

スポット市場での例

スポット市場で言うと、たとえばある売り手が10円/kWhで売りを入れ、別の売り手が12円/kWhで売りを入れ、最終的な約定価格が15円/kWhになった場合、10円で入れた売り手も12円で入れた売り手も、成立した分は15円/kWhで取引されます。JEPXも、入札価格によらず約定価格で取引されると説明しています。

容量市場での例

容量市場でも考え方は同じです。発電事業者などがそれぞれ応札価格を出し、需要曲線と供給曲線の交点で決まった約定価格以下の電源が落札されます。そして、落札した電源には、その共通の約定価格を基準にした金額が適用されます。つまり、「安く入れた電源ごとに安い値段になる」のではなく、落札した電源は同じ基準価格で扱われます。

マルチプライス方式との違い

この方式と対比されるのが、マルチプライス方式です。マルチプライス方式では、約定した案件ごとに、それぞれの入札価格がそのまま使われます。JEPXの業務規程でも、非化石価値取引にはマルチプライスオークション方式またはシングルプライスオークション方式があるとされており、電力市場の中でも使い分けられています。つまり、シングルプライス方式は「みんな同じ価格」、マルチプライス方式は「それぞれ自分の価格」という違いがあります。

この方式が使われる理由

シングルプライス方式が使われる理由の一つは、市場全体の価格が分かりやすいことです。どの価格で市場が成立したのかが一つに決まるので、その時点の市場価格を把握しやすくなります。スポット市場ではその価格が翌日の電気の目安になり、容量市場では将来の供給力の価値を示す価格になります。

まとめ

シングルプライス方式は、オークションで成立した取引に一つの共通価格を使う方式です。売り手や落札者ごとに別々の価格を使うのではなく、需要曲線と供給曲線から決まった約定価格でそろえて精算する点が特徴です。電力市場では、JEPXのスポット市場や容量市場の基本的な価格決定の考え方として使われています。

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