予備率は、ひとことで言うと、電力需要に対して、どれだけ供給の余力があるかを示す数字です。資源エネルギー庁は、予備率を「電力需要に対して供給余力の余裕がどの程度あるかを示したもの」と説明しています。電気は大量にためておくことが難しいため、急な需要の増加や発電所のトラブルに備えて、見込まれる需要より少し多めの供給力を確保しておく必要があります。
予備率が注目されるのは、電力が足りるかどうかをみるときの基本的な目安だからです。予備率が高ければ、それだけ需要の増加や発電トラブルに耐えやすくなります。逆に予備率が低いと、少しの需要増や供給力の低下でも需給が厳しくなりやすくなります。資源エネルギー庁は、需要には3%程度のぶれがあるため、安定供給には最低限3%の予備率が必要だと説明しています。広域機関の需給検証でも、猛暑・厳寒時の需要に対して最低予備率3%の確保を確認する考え方が示されています。
考え方はシンプルで、需要に対して供給力がどれだけ上回っているかを割合で見ます。たとえば、需要が1,000万kWで、供給力が1,050万kWなら、余力は50万kWなので、予備率は5%です。つまり予備率は、「いま使っている電気の量」に対して、「あとどれだけ余裕があるか」を表す数字です。資源エネルギー庁や広域機関の公表情報でも、需要、供給力、予備力をもとに予備率が示されています。
最近の制度運用では、予備率は需給ひっ迫時の情報発信の基準にも使われています。資源エネルギー庁の2024年度以降の電力需給運用では、追加供給力対策を踏まえても広域予備率が3%未満なら「電力需給ひっ迫警報」、5%を下回る場合は前日段階で「電力需給ひっ迫注意報」の対象になります。さらに、警報発令後も1%を下回る見通しになると、計画停電の可能性についての情報発信が行われる仕組みです。
ここでいう「広域予備率」は、一つの地域だけでなく、広い範囲で電気を融通し合うことを前提にした予備率です。広域機関は、広域予備率やエリア予備率を公表しており、地域ごとの予備率だけでなく、広域ブロック全体でどれだけ余力があるかも確認できるようにしています。実際の運用では、広域予備率が大きな判断材料になりますが、エリアごとの予備率が低い場合には、その地域向けの融通指示などが行われることもあります。
予備率は、単に高ければよいというものでもありません。余力を多く持てばそのぶん安心ですが、そのためには発電設備や調整力を多めに確保する必要があり、コストもかかります。そのため、制度上は「どこまで余力を持つか」と「どこまで効率化するか」のバランスが重要になります。需給見通しの資料でも、すべてのエリアで最低限必要な3%を上回っているかが大きな確認点とされています。
予備率は、電力需要に対して供給の余力がどれだけあるかを示す指標です。安定供給には最低限3%が必要とされ、最近は5%や3%、1%といった水準が、注意報や警報、さらに緊急時対応の基準にも使われています。需給ひっ迫のニュースで予備率が話題になるのは、その数字がそのまま電力の余裕度を表しているからです。