DRは、ひとことで言うと、電気の使う量や使う時間を変えて、電力の需給バランスを整える仕組みです。DRは Demand Response の略で、日本語では「ディマンドリスポンス」と呼ばれます。資源エネルギー庁は、需要家が電力使用量を制御して電力需要のパターンを変化させることだと説明しています。
この仕組みが重要になっているのは、電気はその場その場で需要と供給を合わせる必要があるうえ、太陽光や風力のように発電量が変わりやすい電源が増えているからです。発電所だけで需給を合わせるのではなく、電気を使う側も調整に参加することで、全体のバランスを取りやすくなります。資源エネルギー庁も、再エネ導入が進む中で、需要家側が需給バランスの維持に関わることの重要性を説明しています。
DRには、大きく分けて下げDRと上げDRがあります。下げDRは、電力が足りない時間帯に使用量を減らすことです。たとえば空調の設定を見直したり、一部の設備の運転をずらしたりして、ピーク時の需要を下げる使い方です。上げDRはその逆で、再エネが余りやすい時間帯などに電気の使用量を増やすことです。たとえば、その時間帯に蓄電池を充電したり、生産工程を前倒ししたりして、余った電気を活用しやすくします。資源エネルギー庁は、DRをこの二つに分けて説明しています。
DRのやり方にも種類があります。ひとつは、時間帯によって電気料金に差をつけることで、需要家が自分で使い方を変える電気料金型です。もうひとつは、電力会社やアグリゲーターと契約し、要請があったときに需要家が使用量を変えるインセンティブ型です。資源エネルギー庁は、インセンティブ型の下げDRを特にネガワット取引と呼ぶと説明しています。
ここで重要な役割を果たすのがアグリゲーターです。DRは、工場やビルだけでなく、蓄電池や需要調整ができる機器を持つ多くの需要家が参加することで効果が大きくなります。アグリゲーターは、こうした需要家をまとめて管理し、必要なときに調整の指示を出して、市場や制度の中でDRを活用する事業者です。広域機関の用語整理でも、需要家側のリソースを統合制御してDRやVPPの機能を提供する事業者とされています。
いまの日本では、DRは単なる節電の呼びかけではなく、実際に取引される仕組みにもなっています。資源エネルギー庁は、DRによって生まれた価値が市場で取引されていることや、DR実施事業者やアグリゲーターが市場に参入していくことの重要性を説明しています。需給調整市場でも、DRは蓄電池などと並んで参加対象に含まれており、一定の要件を満たせばアグリゲートして参加することが可能です。
DRが広がると、発電所を増やす以外の方法で需給を調整しやすくなります。電力が足りないときには需要を下げ、電力が余るときには需要を増やすことで、設備の使い方をより柔軟にできます。資源エネルギー庁は、こうした取組が再エネ導入の拡大や電力システム全体の効率化につながると整理しています。
DRは、電気を使う側が使用量や使用時間を調整して、需給バランスを整える仕組みです。電力が足りないときに使う下げDRと、再エネが余るときなどに使う上げDRがあり、料金メニューによって促す方法と、要請に応じて対価を受け取る方法があります。いまは、アグリゲーターが需要家をまとめ、需給調整市場などで実際に活用する形が広がっています。