審議会資料解説

第2回 石油等供給構造強靱化WG調達多角化と備蓄

ホルムズ海峡の通航困難を踏まえ、平時から輸送経路を増やす支援制度と石油備蓄の回復目標を確認します。

更新日:2026.08.07

← 審議会資料解説の一覧へ戻る

会議情報

2026.08.07 第2回 石油等の供給構造の強靱化WG

出典:資源エネルギー庁「第2回 石油等の供給構造の強靱化ワーキンググループ」

資料別の解説

資料3石油等の供給構造の強靱化に向けて開く

2026年の中東情勢で原油タンカーがホルムズ海峡を長期間通れなくなり、日本の石油輸入量が減少した。政府は4月に過去最大規模の国家備蓄石油を放出し、海峡を通らない経路からの代替調達を進めた。7月と8月は前年の平月と比べて約10割の調達へ回復する見通しが示されている。

ホルムズ海峡を通らない輸送費を支援

サウジアラビアやUAEでは、原油をパイプラインでヤンブーやフジャイラへ運び、ホルムズ海峡外の港から積み出せる。非中東産原油を含めて調達先を増やせる一方、輸送距離やパイプライン利用料により平時の費用が高くなる場合がある。

輸入事業者が多角化計画を提出し、経済産業大臣の認定を受ける。経済性と多角化への寄与度を評価し、JOGMECが輸送費などを支援する案が示された。

調達多角化支援の制度イメージ
対象原油・ナフサの調達先または輸送経路を多角化する取組
計画認定輸入事業者が提出し、経済産業大臣が認定
運営・支援JOGMEC
財源原油・石油製品の全輸入業者から徴収する納付金

支援対象を長期契約とスポット調達のどちらにするか、納付金の算定方法、国際競争力への影響、産油国との関係は未決定である。制度による強靱性と追加費用を比較しながら検討する。

国家備蓄を二段階で回復

国家備蓄は2026年度中にIEA基準の90日分へ戻し、2027年度中にナフサの国内精製分も考慮した原油輸入量の90日分まで回復する目標案を示した。油価と国内需要を見ながら買い戻す。

備蓄義務の対象外であるナフサについては、原油から石油製品を精製する際に同時に生産される分も含め、備蓄の対象と水準を検討する。

資料本体:資料3(PDF)

資料4原油等の調達先や輸送経路の多角化に向けた論点整理案開く

資料4は会合の論点整理案である。事態発生後に調達先を急いで切り替える方法には、入手できる量と価格の両面で不確実性があるため、平時から選択肢を持つ必要があるとした。

輸送支援と全輸入業者の負担を組み合わせる

特定のチョークポイントを通らない原油・ナフサの安定輸送に必要な費用を支援し、危機時と平時のリスク・コストを平準化する。支援原資を全輸入業者から徴収するため、多角化に取り組まない事業者も費用を負担する設計となる。

論点整理案は、政府による制度の必要性と財源の説明を求めている。製油所と石油化学など川下産業の国際競争力、中東・アジア諸国との関係、事業者間の公平性も制度設計の条件に置いた。

今回決まった内容と未決定事項

支援の方向性と備蓄回復の目標案が示された段階で、納付金制度の導入は決定していない。対象数量、支援率、計画認定基準、開始時期、法律改正の要否は次回以降に詰める。

資料本体:資料4(PDF)