会議情報
2026.06.12 第7回 CCS事業の支援措置に関するWG
資料別の解説
資料5 中間とりまとめ(原案)「CCS事業(パイプライン案件)の支援措置の在り方について」 開く
資料5は、CO2をパイプラインで輸送するCCS事業への支援制度案である。排出事業者がCO2を分離・回収し、輸送事業者がパイプラインで運び、貯留事業者が地下へ圧入して監視する。
支援額は、CCSに必要な「基準価格」から、排出量取引制度の価格を基にする「参照価格」を差し引いて算定する。基準価格には回収・圧縮設備、パイプライン、圧入井、監視設備の建設費と、電力、薬剤、修繕、人件費などの運転費が含まれる。
| 制度項目 | 中間とりまとめ原案 |
|---|---|
| 支援額 | 基準価格と参照価格の差額 |
| 支援期間 | 15年 |
| 支援終了後の事業継続 | 10年 |
| 対象 | パイプラインで輸送するCCS案件 |
回収、輸送、貯留のどこかが停止すると、接続する事業者も操業できなくなる。この連鎖をクロスチェーンリスクと呼ぶ。資料は、自然災害や想定外の地質条件など、事業者の責任によらない停止について支援期間を延長できる案を示している。
資料では、事業者の責任ではない理由で止まった場合、支援期間の延長を認める方向が示されている。たとえば、想定外の地質上の問題で貯留が一時的にできなくなった場合や、大きな自然災害でパイプラインが使えなくなった場合などである。
ただし、事業者の責任でCO2が漏れた場合や、約束した量を回収・貯留できなかった場合には、支援の返還を求める仕組みも示されている。返還額は、漏えいした量、実際に貯留した量、事業を続けた期間、各事業者の責任の大きさを基に個別に決める。
長期脱炭素電源オークションとの関係も整理されている。CCSを付けた火力発電は、長期脱炭素電源オークションでも支援対象になり得る。そこで、同じ費用に二重に支援が入らないようにする必要がある。資料では、電力分野で長期脱炭素電源オークションの支援を受ける費用は、CCSコスト差支援の基準価格には入れない方向が示されている。
制度案は2030年代初頭の事業開始を想定している。実施時には基準価格の査定方法、責任分担、停止時の延長条件、返還額の算定を案件ごとに契約へ落とし込む。貯留事業の許可と長期管理はCCS事業法の解説で確認できる。