今回の要点
燃料の生産・輸送から発電までに出る温室効果ガスを減らす自主的取組について、2025年度の実績と具体的な削減事例を共有する案が示されました。対象設備の出力でみた参加率は約58%。2031年度以降の基準は今後の検討事項です。
開催日:2026.10.23。この記事の公開日は2026.10.23です。
出力でみた参加率は約58%、大型案件への働きかけを継続
自主的取組は、発電事業者が燃料の生産・加工・輸送から発電までの温室効果ガスを計算・公表する取組です。この全工程の排出量をライフサイクルGHGと呼びます。燃料のつくり方や運び方、発電効率などを改善する手掛かりにします。
2025年度の公表データは86発電所、バイオマスの混焼比率を考慮した出力で約418万キロワットを集約しました。団体を通じた報告と、自社サイトだけの公表を含みます。事業者によって報告単位や工程ごとの開示範囲が異なります。
これとは別に、所定の設備区分と年度末までの運転開始報告から集計した参加状況では、バイオマス比率を考慮した発電出力ベースの参加率が、2023年度約54%、2024年度約57%、2025年度約58%でした。発電所数の割合を表す数字ではありません。参加・未参加とも1万キロワット以上の案件の出力が大きく、事務局は大型案件への働きかけが有効としています。
出典:資料1 公表データと参加状況(PDF 5〜6頁)
燃料別の排出量は、公表された使用量の範囲で比較
現行の基準は、比較対象となる火力の排出量180g-CO2eq/MJ電力に対し、2023〜2029年度は50%削減、2030年度は70%削減を求めます。新規認定や燃料の変更認定の時期、燃料区分によって適用が異なり、基準確認の対象は出力1,000キロワット以上です。対象外の案件も、自主的な削減に努めることとしています。
燃料別の使用量と算定値を公表した事業者のデータでは、国内木質チップ、輸入木質ペレット、ヤシの実の殻であるPKSはいずれも50%削減水準を満たしました。70%削減水準を超える排出量は、使用量ベースで国内チップが1%未満、輸入ペレットが約3%。PKSは分析対象の全てで70%削減水準を満たしました。公表データに基づく比較です。
出典:資料1 現行基準と燃料別の分析(PDF 4・7〜9頁)
削減できた具体的な製造・輸送方法を報告する案
規模や調達地域と排出量の間には、今回の分析で明確な傾向が確認されませんでした。工程ごとの開示が少ないことも分析の制約です。標準的な数値である既定値を使う計算が多く、2026年4月に確定した国別電力排出係数による既定値の見直しが、各団体の取組へどこまで反映されたかも明らかになっていません。
事務局は、燃料製造装置の技術、国内輸送の車両の種類・大きさ、海上輸送の船や燃料など、工夫して排出量を減らした具体例の報告を求める案を示しました。普及に向けた業界の方針と効果の検証も共有する考えです。参加率を上げながら、参加済み事業者の削減も促します。
今年度は2031年度以降の削減水準、輸入木質燃料の持続可能性、支援期間終了後の自立化も検討対象です。新たな削減水準は、事業への影響と条件を満たす燃料の供給可能性を踏まえて議論します。
出典:資料1 分析の制約と今後の提案(PDF 2・15〜17頁)
今回確認できた資料の範囲
本文は取得できた資料1の17ページに基づきます。公式ページに掲載された資料2「第三者認証スキームの追加」と参考資料1の事業者リストは、10月23日の直接取得でファイル不存在の応答となり、公式ブラウザのリンクからも保存できませんでした。認証スキームの追加内容と事業者別リストの確認は未完了です。復旧後に内容を照合して追記します。
同日の公式ページには議事録・要旨が掲載されておらず、削減事例の報告方式は事務局案として説明しています。
一次資料と次に確認すること
- 配布資料一覧(PDF形式:126KB)
- 議事次第(PDF形式:58KB)
- 委員等名簿(PDF形式:121KB)
- 資料1 ライフサイクルGHG⾃主的取組のフォローアップについて(PDF形式:930KB)
- 資料2 第三者認証スキームの追加について(PDF形式:910KB)
- 参考資料1 ライフサイクルGHG⾃主的取組の参加状況に係る事業者リスト(2025年度)(PDF形式:1,458KB)
議事次第・委員名簿は会合の情報として確認しています。議事録や要旨に記された結果がある箇所は本文で示し、配布資料だけの提案は事務局案として説明しています。
バイオマス持続可能性ワーキンググループ