ノンファーム型接続は、ひとことで言うと、送電線に空きがない場合でも、混雑したときには出力制御を受けることを前提に、まずは系統へ接続できるようにする仕組みです。資源エネルギー庁は、系統の容量に空きがなくなったときには発電量の出力制御を行うことを前提に接続契約を結ぶ仕組みだと説明しています。
この制度を理解するときは、まずファーム型接続との違いを見ると分かりやすいです。ファーム型接続は、接続時に確保された容量の範囲内で、平常時にその容量を確実に使える接続です。これに対してノンファーム型接続は、系統が空いている時間帯は電気を流せますが、混雑が予想されるときには出力制御を受けます。つまり、確実に流せる容量を先に押さえる考え方ではなく、空いているときは使い、混んだときは抑える考え方です。
この仕組みが広がった背景には、再エネの接続申込みが増える中で、従来の考え方では「空き容量がないので接続できない」という案件が増えやすかったことがあります。資源エネルギー庁は、これまでの仕組みでは、空きがなくなると新しい送電設備の整備が必要になり、その整備には時間もコストもかかると説明しています。ノンファーム型接続は、そうした中で既存の系統をできるだけ有効に使うための見直しとして進められてきました。
日本では、2019年に東京電力パワーグリッドの千葉・鹿島エリアで試行的に始まり、2021年1月13日から全国の空き容量のない基幹系統で原則適用が始まりました。さらに、資源エネルギー庁の整理では、2022年4月1日以降に接続検討を受け付けた基幹系統電圧階級の案件には、空き容量の有無にかかわらずノンファーム型接続を適用し、2023年4月からはローカル系統でも適用開始となっています。
ここでいう「出力制御」は、系統が混雑したときに行われる制御です。広域機関は、ノンファーム型接続に伴う混雑時の出力制御は、需給バランスのための制御ではなく、送電容量の制約による出力制御だと整理しています。つまり、電気が余っているから止めるのではなく、送電線などの設備に流せる量の上限があるために抑えるということです。
実際の運用では、発電事業者が出した発電計画や需要計画に加え、一般送配電事業者が行う再エネ出力予測や需要予測などをもとに、どこで混雑が起きそうかを見込みます。そのうえで、必要があるときは出力制御の値が発電所側へ送られます。広域機関の資料では、こうした混雑の予想や制御量の算定、情報公表の流れが示されています。
ノンファーム型接続は、「空き容量がなくても全部つなげる」という意味ではありません。基幹系統では空き容量の有無にかかわらず接続しやすくなりましたが、ローカル系統や配電系統に増強が必要な場合は、別途工事が必要になることがあります。広域機関の説明でも、基幹系統がノンファーム型接続でも、下位の系統に余裕がなければ増強工事が必要だとされています。
ノンファーム型接続が増えると、発電事業者にとっては「接続できるかどうか」だけでなく、どの程度出力制御を受ける可能性があるかも重要になります。そのため、最近は系統の運用情報をより分かりやすく公開する方向でも見直しが進んでいます。2024年の資源エネルギー庁資料でも、地内基幹送電線については、ノンファーム型接続の電源が混雑時に出力制御を受ける可能性があるため、運用容量や潮流、停止計画などの情報公開が重要だと整理されています。
ノンファーム型接続は、送電線の混雑時には出力制御を受けることを前提に、既存の系統をできるだけ有効に使って新しい電源を接続しやすくする仕組みです。従来の「空きがなければ接続しにくい」考え方から、「混雑しない時間は使い、混雑するときだけ抑える」考え方へ変わった点が特徴です。再エネの導入拡大と系統制約への対応を両立するための、今の日本の系統利用ルールの中心の一つになっています。