系統接続は、ひとことで言うと、発電所でつくった電気を送電線や配電線につなぎ、電力ネットワークに流せるようにすることです。 資源エネルギー庁は、系統接続を「発電した電気を一般送配電事業者または配電事業者の送電線・配電線に流すために、電力系統に接続すること」と説明しています。
ただし、実際の「系統接続」は、電線を物理的につなぐ作業だけを指すわけではありません。 発電事業者が接続検討を申し込み、送配電会社が技術的な確認を行い、必要な工事や費用を示し、申込者が工事費負担金を支払ったうえで工事を行い、最後に連系を始めるまでの一連の手続きを含んでいます。
流れをシンプルに言うと、まず発電事業者が送配電会社に接続検討を申し込みます。 すると送配電会社は、その発電設備をつないだときに他の利用者や上位の設備にどんな影響が出るか、設備の新設や増強が必要か、どれくらいの工期や費用がかかるかを調べます。 広域機関の案内では、接続検討の回答は原則3か月以内とされています。
この手続きに時間がかかるのは、単に空いている電線につなげば終わり、という話ではないからです。 新しい発電所をつなぐと、近くの送電線や変電所だけでなく、その上位の系統まで影響が及ぶことがあります。 そのため、接続検討では、どこにどんな工事が必要か、ほかの利用者に支障が出ないかまで確認する必要があります。 送配電会社や広域機関は、アクセス線のルート選定、送配電設備の増強工事の必要性判断、工期や工事費の算定を行うと説明しています。
費用の面でも、系統接続は重要です。 接続に必要な工事費は、原則として接続を希望する側が工事費負担金として負担します。 広域機関の案内では、工事費負担金は工事着手までに一括で支払うのが基本で、工事が長期にわたる場合には合理的な範囲で支払条件を変更できるとしています。 資源エネルギー庁の事例集でも、工事費負担金を期限までに支払わないと接続契約が解除される場合があると説明されています。
系統接続が話題になりやすいのは、再エネが増えるほど、つなぎたい場所と送れる余裕がある場所が一致しないことが増えるからです。 資源エネルギー庁は、発電事業者の申込み順に送電容量を確保していく仕組みでは、空きがなくなると新しい送電設備が必要になり、その整備には時間もコストもかかると説明しています。 これが、再エネ導入でよく言われる「系統制約」の一つです。
この課題に対応するため、最近はノンファーム型接続という考え方が広がっています。 これは、空き容量がない基幹系統でも、混み合ったときには出力制御を受ける前提で、まずは接続しやすくする仕組みです。 資源エネルギー庁は2021年1月から全国でこの取組が始まったと説明しており、広域機関も、空き容量のない基幹系統では原則としてノンファーム型接続を適用すると整理しています。
つまり、最近の系統接続は、「空きがないから接続できません」で終わる仕組みから少し変わってきています。 もちろん、配電線や地域の系統そのものに空きがなければ増強工事は必要ですが、少なくとも基幹系統については、既存設備をより使いながら接続を進める方向に見直しが進んでいます。 広域機関の資料でも、基幹系統に対してノンファーム型接続となる場合でも、ローカル系統や配電系統に空きが足りなければ増強工事が必要だと説明されています。
系統接続は、発電設備を電力ネットワークにつなぎ、実際に売電できるようにするための手続き全体です。 接続検討、技術確認、工事費負担、工事、連系開始までを含みます。 再エネや新しい電源の導入ではこの手続きが事業の前提になり、費用や工期にも大きく影響します。 最近は、送電線をより有効に使うためにノンファーム型接続の仕組みも広がっており、系統接続は日本の電力制度の中でも特に重要なテーマの一つになっています。