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用語解説

間接送電権とは

エリア間の電気の価格差を調整するための権利

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間接送電権とは何か

間接送電権は、ひとことで言うと、エリア間の電気の価格差を調整するための権利です。JEPXは、これを「エリア間のエリア価格差を受け取る権利、または支払う義務」と説明しており、あわせて「電気を送電する権利ではない」と明記しています。名前に「送電」と入っていますが、送電線そのものを使う権利ではなく、価格差に関する権利です。

この仕組みが必要なのは、スポット市場では、地域間の送電線に制約があると市場分断が起き、エリアごとに価格が分かれることがあるからです。JEPXの取引ガイドでは、全国の入札をまとめて計算した価格とは別に、連系線制約がある場合にはエリアごとの価格が算出されると説明されています。間接送電権は、こうしたエリア価格差のリスクをヘッジする手段として2019年度から導入されました。

仕組み

考え方はシンプルです。たとえば、ある時間帯に東京エリアの価格が10円、関西エリアの価格が12円だったとします。このとき、東京→関西方向の間接送電権を持っていれば、この2円の値差が精算の基準になります。JEPXの説明資料でも、値差が発生したときに、その差額に応じて受け取りまたは支払いが発生する仕組みとして整理されています。

利用上の制約

ただし、間接送電権は単独で自由に使えるわけではありません。JEPXの資料では、同じ時間帯に取引所で電気を購入または販売した場合に限って使う現物電気と一体の仕組みだと説明されています。また、JEPXが販売し、保有量は取引所が管理し、転売はできないとされています。つまり、金融商品として完全に独立して売買するというより、現物取引に伴う値差リスクを調整するための仕組みに近いです。

導入の経緯

この制度は、もともと地域間連系線の利用ルールを、先着順から市場原理を使う仕組みに見直す流れの中で導入されました。資源エネルギー庁の白書では、連系線利用について、従来の「先着優先」から、スポット市場を通じて利用する間接オークションへ見直し、その関連用語として間接送電権が導入されたと整理されています。

最近の見直し

最近も制度見直しは続いています。JEPXの2025年の取りまとめでは、制度導入から約5年が経過し、経過措置の終了や活用状況を踏まえて、新たな連系線での商品設定、取引の適正化、新しい商品設定などが検討事項として整理されています。つまり、間接送電権はすでに動いている制度ですが、いまも使い勝手や商品設計の見直しが続いています。

まとめ

間接送電権は、エリア間の価格差を受け取る、または支払うための権利です。送電線を使う権利そのものではなく、スポット市場で市場分断が起きたときの値差リスクを調整するための仕組みです。電気の現物取引と組み合わせて使う点が特徴で、スポット市場のエリアプライスを理解するうえでも重要な用語です。

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