容量拠出金は、ひとことで言うと、容量市場で将来の供給力を確保するための費用を、小売電気事業者などが負担する仕組みです。 広域機関の説明では、容量拠出金は、小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者が広域機関に支払うもので、このお金を原資として、供給力を提供する事業者に容量確保契約金額が支払われます。 つまり、容量市場で落札した電源への支払いを、後から広く回収するのが容量拠出金です。
この仕組みがあるのは、容量市場が「4年後の供給力を前もって確保する市場」だからです。 発電事業者などには容量市場からお金が支払われますが、その財源が自然に生まれるわけではありません。 そこで、実際に電気を需要家へ届ける立場にある小売電気事業者などが、その費用を負担します。 経産省の資料でも、小売電気事業者は相対契約の有無にかかわらず容量拠出金の支払い義務を負うと整理されています。
誰がどれだけ負担するかは、事業者の種類によって少し違います。 小売電気事業者は、夏季と冬季のピーク時のkW実績を基礎にしつつ、実需給年度の各月のシェア変動も反映して請求額が決まります。 一方、一般送配電事業者と配電事業者は、各エリアのH3需要に応じて負担します。 広域機関は、2024年度以降の容量拠出金について、この考え方で請求すると説明しています。
小売電気事業者の負担額は、ざっくり言えば、ピーク時にどれだけ需要を持っていたかで決まりやすい仕組みです。 これは、容量市場が「どれだけ電気を使ったか」よりも、「ピーク時にどれだけ供給力を必要としたか」を重視する市場だからです。 広域機関の計算資料でも、7〜9月と12〜2月のピーク時電力kW実績を使って配分比率を求める考え方が示されています。
容量拠出金は毎月の請求で動きますが、それで完全に終わるわけではありません。 実際には、あとから再算定や還元が行われることがあります。 広域機関は、年次精算として、請求年間総額を合わせるための追加請求や、容量提供事業者への支払額と拠出金総額の差額を調整する還元を行うと説明しています。 還元は主に、小売電気事業者を対象に行われます。
実務面では、広域機関が各月の容量拠出金請求額通知書を出し、事業者はその内容を確認して支払います。 広域機関は、エリア全般算定諸元や検算ツールも公表しており、請求額の確認ができるようにしています。 つまり容量拠出金は、制度としてはシンプルに見えても、実際には月次請求、再算定、年次精算まで含めたかなり実務色の強い仕組みです。
容量拠出金は、容量市場で確保した将来の供給力の費用を、小売電気事業者などが後から負担する仕組みです。 小売電気事業者については、ピーク時の需要の大きさが請求額の基本になり、一般送配電事業者や配電事業者はH3需要に応じて負担します。 月次請求に加えて、あとから追加請求や還元が行われる点も、この制度の特徴です。